Chose de parler de la danse ダンスについて語ること

Autoportrait de l'auteur en danse :パリ、ダンス、言葉の敷石を踏みしめて

吉田都さんのスーパーバレエレッスンから 指導法を学ぶ 第6回 「ドン・キホーテ」第3幕バリエーション

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コンクールやガラ公演でおなじみのドンキの3幕バリエーションです。世界バレエフェスでのニーナや、ABTなど、とにかく多少粗削りでも型破りでも、スター性があって体力があって、あっと言わせる「華」、それがあるかないか、ただ一つです。

もう出てきた瞬間勝負といってもいいでしょう。

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《ストーリー》

舞台はスペインの港町。広場は踊り子たちで祭りの賑わいです。庶民の娘キトリと若者バジルは恋の駆け引きを繰り広げています。放浪の騎士ドンキホーテも登場し、話が展開していきます。キトリとバジルの結婚式で締めくくられる、喜劇的な作品です。

スパニッシュスタイルが印象的な、キャラクターダンスです。

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1)ラスト三幕は、一幕、二幕で、バタバタとあって、最後でハッピーエンドで結ばれる、という大切なパ・ド・ドゥの中のソロ。スパニッシュスタイルを出しつつ、気持ちの高まり、幸せ感を表現しながら、眠りの森の美女とはまた違った、明るい、みんなでワイワイと陽気な感じで騒ぎながらお祝い、というイメージが大切。扇、手の使い方といったスタイルが他の作品とは違うので、そこを気をつけること。

ーー生徒は茂田絵美子さんです。

・顔が素に戻っちゃう。最初の出から「ぱっ」という華やかさがほしい。最後の結婚式の場面だけれど「眠り」のオーロラのお姫様とは違ってこちらはスペインの太陽のような。出た時で、印象全く変わるから。袖で準備してその空気をまとって出て行って。

・最初の五番。足の内側使って、肘引かないよう、脇閉めて、右の肘も落ちない。

・目線、表情。キトリは元気のいい明るい女性。ドンキが間違えるぐらいの、秘めた女性のセクシーさみたいのも出してください。

・ポジショニングはいい、でも表情はニコニコ、ふわっとした感じではないの。はっというスパニッシュな感じ、強さみたいなものがほしい。

・走るところ。背中がもう先へ行ってしまう。後ろを向いても背中は残してーーお客さん連れてってーーーで、パンっとポーズ。もっと「売って」。すぐ行く方向に意識が向かないよう。タメてタメて。

・扇の開き方、アクセントをつける。顔の角度など、何かしら変化が必要。立つところもう少し時間かけて、左の肩、もっと「くいっ」ていう、こういうのが。

(吉田さんインタビュー)キトリの性格というのは、勝気で明るい女性。華やかさを出すのには、下でなく上にアクセントを。ステップが体に入っていれば、また音楽をよく聞けば、違ってくる。私が言っている通りではなくて、彼女(生徒さん)なりに見つけることができれば、そのヒントになればいいと思う。

2)・口に力を入れない。背中残して。もっと進んで。今のは抑え気味すぎる。グリッサードは抑えていいけど、ジャンプはもっとばーんと飛ばないと。

・扇の持ち方。くっと脇しめて。シンプルなステップだから、エシャッペね、プリエも親指にかかってるから、もう少し後ろを使って。

・アチチュード・ターンはよかった、その次は、もっとパーンと。後ろに走る時、下向いてるのがわかるのよ、角度(上に)付けて。背中だけ見てるとすっごく目立つの。

・肩。音楽なしで、もっと上からやってみて、上半身だけ。足の方でもいいんだけど、肩を使う、今、この動きが鈍い。思いっきりクロスして、というところだけやって。

・自分の足と遊ぶというか、今だと「ステップをやってます」という、もっと音楽と戯れる感じで。

3)・肩、目線も。今、最後立てたからよかったけど、音楽より遅かった。シェネも顔が付いていないし。ソロの最後ってほんと大切、これだけ頑張っても、最後音に合わなかったら台無しだから。

・マーキングで上半身だけやって。

・そう、全然違う。脇しめて、シェネ、あと一回多い方がいいと思う。早く準備しすぎ。もっとギリギリまでやったほうが、エキサイティングだから。

・ここで、もうちょっと時間かけたほうがいいんじゃない?左足に重心行く前、右足のディベロッペを早く。プリエ最後まで待った方がいいのかな、タイミング。そう、今のだとシェネが長すぎなくていい。

・ラストのポーズも、最後の最後で、音と一緒にお客さんをぱっと見た方がいい。音楽を聞いて。よくはなっているけれども、舞台にあげるには役柄を把握して、もっと「遊び」だっていう感じがほしい。今すごくきちんと、真面目に踊ってくれているけれど、どこかでその「キトリの表現」っていうのを、忘れないようにしないと。上半身の肩の使い方と、目線、目の表情。キトリって、もっとこうキビキビした感じ。そうじゃないとふわぁっとした印象になっちゃうから、目線がキッと合わないといけない。

4)吉田さんによる一幕のキトリのバリエーション、54秒。

(吉田さんインタビュー)闘牛士やみんながわーとなっているところに出て行くので、扇のソロよりも、もっとセクシーかつパワフルなソロですね。キトリの時は目線を一番意識します。フォーカスをきちっと合わせる、それが生きてくると思うんですよね。

【kotorioからのひとこと】

前回同様、吉田さんによる同じバリエーションの収録はできなかったものか。ネットではパリオペのオーレリ・デュポンが踊ったのと、マリインスキー・バレエがでできました。この二つ、解釈が違うんですよね。最近では2016年のオニール八菜さんのドバイでのガラ公演の動画も。

吉田さんのレッスンや彼女の助言にもっとも近しい「模範映像」で選ぶなら、こちら、サレンコあたりが活発なイメージでぴったりかもしれません。ひとつひとつのパも、吉田さんの指摘をよく体現している動きです。参考までに。

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