Chose de parler de la danse ダンスについて語ること

Autoportrait de l'auteur en danse :パリ、ダンス、言葉の敷石を踏みしめて

シルヴィ・ギエムの今ーー引退後・2018年の彼女の「ライフ」・・・

Sylvie Guillem、1965年生まれ、今年53歳。50歳を機に、引退を決め、アデューツアーで世界を回りました。その年の大晦日、彼女が愛した日本で「ボレロ」を踊り、ダンス人生に幕をおろしました。

「ライフ・イン・プログレス」ーー人生は続く。

引退後は、めっきりマスコミの取材もなく、スイスの山奥で夫と愛犬達と静かに暮らしているようです。

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一度、その模様を伝えた新聞報道を当ブログでも紹介しましたが、それ一回のみ。

毎朝の自宅でのバーレッスンは、習慣として欠かしていないようですが・・・

ほとんど公の場に顔を出すこともなく「孤高のダンサー」として、「自分に失望したくないから」と50で踊ることをやめたギエム。

庭園職人との会話ーー「庭師は知恵と経験が頼り。不可能の領域に挑戦するダンサーとは違います」「そうね・・・でも、引き際は知っておくべき、と思っているのよ」

 

彼女の現在を知るには、フェイスブックの更新を時々チェックするぐらいしかなくて、

ダンスに関することより、以前から彼女が興味を示していた「動物保護」「自然環境保護」関連のシェアが続いている。

現役時代からもシーシェパードの活動に全面的に、ほとんど本業を放り出して、と言えるほどに、のめり込んでいたギエム。

いちアーティスト、芸術家である彼女が、一定の思想の政治活動に加担することを快く思わないファンもいた。

私には、ギエムのその裏側の孤独が、手に取るようにーーー、わかる。

人々に愛を与え、教え、愛され、死後なお多くの人の心に生き続けるピナ・バウシュの生き方と比較せずにはいられない。

2017年秋以降、ギエムのアップしている(関わっている)活動など。

・動物保護団体「ヴィーガン・プラティック」のインタビュー動画

www.youtube.com

・ミルク業界の黒い闇ーー(ドローン撮影)

www.youtube.com

・アスパスというオオカミの保護団体には以前から関わっていましたが、引退後より熱心に。

www.aspas-nature.org

・ワニ皮のバッグ、アクセサリーなどの反対団体(公式Facebookのみ)

Get Dressed Change The World - ホーム | Facebook

・英国「法律で屠殺場の全てにカメラ設置」ーーー「ポール・マッカートニーもいっているでしょう、全ての肉屋にカメラがあれば、みんな菜食主義になるって」

vegnews.com

・こちらはフランスの「リベラシオン」紙から。L214という団体が、勝手に屠殺場にカメラを隠していたことが発覚したのですが、マチュー・リシャード、シルヴィ・ギエムらの著名人がそのことを擁護している、という内容です。

www.liberation.fr

・パリのビーガンサイトから。街並みが果物の絵でペイントされました。

 

www.petafrance.com

・フランスなのに、一切肉を使わないヴィーガンレストランがミシュランの星に輝いたことも取り上げています。

aconsommerdepreference.lexpress.fr

 

・そして最後に・・・ギエム自身のこの投稿を見た時、私はとても悲しくなった。

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ギエムの文章はフランス語だったので訳してみると、

Mac(アップル)ノエル広告・・・想像力は最大のプレゼント。それは真実で、 私はBye(マッツエックの最後のダンス)と同じ色の髪、服で、踊っていました・・・」

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そしてたくさんのコメントの返信として、ギエム自身が貼り付けたこの画像。

ギエムは「ライフインプログレス」ーー人生は続く、としながらも、

ギエムの「時」は、あの2015年の大晦日から、止まったまま、一歩も動いていないのではないか。

孤高の、100年に一人の天才。マドモアゼル・ノン。

そうやって、才能があるがゆえに、突っ張って生きてきた彼女だけど、

多くの人に「感動」を与えはしたけれど、

それ以外に、何かあったのかな?

ピナのように、後進を育て、慈しむとか、多くの人にその愛情を注ぎ、精神を繋いでいくとか。

ギエムの場合、自分で振り付けはしていないから、自身の「作品」は残せないし、必ず誰かとのコラボになるわけだけれど。

ピナは人間を信じ、愛した。ギエムは逆で、人間を嫌い、自分しか信じず、だから、その余剰エネルギーというか、本来ピナが人間育成に使ったパワーを、彼女は、動物保護や、ビーガン団体の支持や、毛皮反対や、海、特にイルカの保護や、そうした活動に、手当たり次第(と言うわけでもないが)ぶつけているのかなあ。

だとしたら、悲しい。悲しすぎるよ、ギエム。

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あなたはほんとうの天才なのに。私を期待させ、私を心底がっかりさせ、憧れ、愛し、憎んだ、私にとっての唯一の「ダンサー」。

毎年年末になると、こうして2015年末の画像を、アップして、50のまま、過去を懐かしんで生きるのだろうか?

そんなこと以前に、彼女は、シルヴィ・ギエムというひとは、

心の底から、笑ったことが一度でも、あるのだろうか?