Chose de parler de la danse ダンスについて語ること

Autoportrait de l'auteur en danse :パリ、ダンス、言葉の敷石を踏みしめて

映画「Maiko ふたたびの白鳥」ノルウェー国立バレエ団プリンシパル西野麻衣子さん

今日は北欧・ノルウェー国立バレエ団プリンシパルの西野麻衣子さんをご紹介します。

同じ女性として、バレリーナとして、その生き方に共感される30代も多いのでは。

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西野さんを知ったのは、彼女の4年にわたる密着取材のドキュメンタリー映画

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一人、スポットライトの中に浮かび上がるーー手足、指、爪先まで神経を行き届かせ、軽やかに伸ばし、しかし一ミリの狂いもなく。

ノルウェーの劇場舞台は1350座席。観客の視線、そのプレッシャーを西野さんはすでに12年背負ってきたベテランです。

西野麻衣子さん、37歳は、北欧ノルウェーの国立バレエ団で、2005年からプリンシパルをつとめてきました。息子アイリフ君を出産したのは3年前。

女性なら誰しも悩むように、30代を迎えた頃に西野さんもまた、まだやれる、キャリアのトップを守りたいという気持ちと、母親になりたいという気持ちの間で揺れたと言います。

バレリーナは生活の全て、24時間をダンスに捧げます。舞台の為に食事、睡眠、自己ケア、そして日々のトレーニングとリハーサルの繰り返し。

子育てとの両立は、容易ではない。「主役として舞台に責任をもつ自己管理ができるのか」悩む最中、妊娠5週目であることがわかります。

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お腹に子供がいながら舞台を諦めない娘に、大阪の両親は、スカイプで説得。

働きながら3人の子を育て、参観日にはいつもスーツで駆けつけた自慢の母。

一番の理解者と信じていた母。泣きながら、続ける意志を誓います。

医師と相談しながら出産2日前まで練習を続け、産後7週間で復帰した西野さん。

ーーーバレエを「諦めた」なんて、子供のせいにしたくない。

その思いを夫ニコライさん43歳は受け止め「麻衣子のしたいようにすべきだ。僕が育休を取るよ」。

夫ニコライさんは劇場の映像・音楽監督。5カ月間休んで子育てに専念した「育パパ」に。ノルウェーでは父親に10週間の育休は通常のことだそうです。

復帰公演に向けた練習再開から3週間で13キロの減量。食べても母乳に変わり体力とならず、胸が張り、腕は思うように動かないもどかしさ。

長時間のリハーサルの合間に、ニコライさんに連れられた息子にスタジオで母乳をあたえる日々が続きます。

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出産から半年後、大阪から駆けつけた両親の前で、麻衣子さんはクラシックバレエの最高峰「白鳥の湖」の主役で復帰します。

24歳でデビューを果たし、プリンシパル昇格となったその作品で、西野さん自身も、新しい人生の章をスタートさせました。

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これまで、出産を理由に妥協したことは一つもありません。

プリンシパルもママも両方諦めなかったって、いつか息子に知ってもらえたらな」

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ノルウェーの国立バレエ団の定年は41歳。

「まだまだ勉強できるいい年ですよね。第2のキャリアはメーキャップの仕事かな

 ーーーバレリーナ西野麻衣子とは違う自分を探してみたい」

《西野麻衣子さん》
1980年、大阪市生まれ。6歳でバレエを始める。96年、英国ロイヤルバレエスクールに単身留学、99年ノルウェー国立バレエ団に入団、2005年にプリンシパル

 【kotorioからのひとこと】

世界最高レベルの「男女平等の国」として知られるノルウェー

充実した保育サービスや男性の育休制度により、男女問わず仕事と子育てを両立しやすい国と言われています。

豊かな資源、少ない人口。実はこの国も半世紀さかのぼると結婚した女性の10人に9人は専業主婦という時代を経ているのですよね。

日本とも、kotorioのいるフランスとも大きく事情の異なるこの「福祉国家」で、頑張り続ける西野さん、大阪弁でハキハキした姿が非常に印象的でした。

さて、昨年のワールドバレエデイで、西野さんは流暢な英語で、インタビュアーを務められていました。海外のバレエダンサーはよく「英語はできなくても身体は言葉だ、分かり合える」的な誤解をされている方も多いのですが、kotorioは反対意見です。勘違いもええ加減にせい。

挨拶程度しかできないダンサーも少なくない中、さすが、15歳で単身渡った西野さん、ネイティブ同然の自然な発音で堂々としていますね。

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