Chose de parler de la danse ダンスについて語ること

Autoportrait de l'auteur en danse :パリ、ダンス、言葉の敷石を踏みしめて

アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル(5)Ballet de l’Opéra national de Paris  パリ・オペラ座バレエ団公演 

2015年10月にパリ・オペラ座バレエ団はアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルの初期作品3本をレパートリーに付け加えました。
弦楽四重奏曲第4番』(バルトーク/1986年初演)
『大フーガ』(ベートーヴェン/1992年初演)
浄夜』(シェーンベルク/1995年初演)

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ローザスにより初演された後、2006年にブリュッセルで「バルトーク、ベートーベン、シェーンベルク、レパートリーの夕べ」として上演されたもの。

2018年の今回はオペラ座にとっては、再演ということになります。

・『弦楽四重奏曲第4番』 Bartok「Quatuor No4」
ローザス初演時にケースマイケル自身もダンサーとして舞台に立った作品です。

パリオペラ座ダンサーの中から、ケースマイケルさんが

セ・ウン・パク、ジュリエット・イレール、シャルロット・ランソン、

ローラ・バッハマンの4人を抜擢しました。

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黒のショートスカートに黒靴、くるぶしまでの靴下。

バルトークを演奏し始める前にダンサーが動き出し、その動きに音楽が重なっていく、という展開。

首筋から髪を両手でなで上げる、膝を太腿に引き付けるなどの動作は「女性性」に目覚めた少女のエロスをも感じさせます。

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弦楽四重奏でヴァイオリン、ヴィオラ、チェロが同じ旋律を奏で、対位法になったり、休止したりするのと同じく、4人のダンサーが互いを感じながらも一体感を醸し出す。

これがいわゆるケースマイケルの「楽曲性と身体性」かと、感じられる作品。

・『大フーガ』 Beethoven「Die Grosse Fuge」

ベートーヴェンの音楽をバックに、黒スーツの7人の男性と女性1人が跳躍したり、床に崩れ落ちたり、床を転がったりするスピーディーな動き。
「目で見る音楽」=ダンサーはベートーベンが描く音符のような印象。

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・『浄夜』Schönberg ーーVerlärte Nacht 
前半のダンスがとても抽象的で舞台装置も一切置かれていなかったのに対し、

後半のこの作品では、まず背景で、白樺の幹が立ち並ぶ森を月が照らし出します。

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 「男と女が冷たい森を通り抜けていく。
  月が二人を照らし、二人は月を見ている。
  背の高い木の上を月が弧を描いていく」

リヒャルト・デーメルの詩をもとに作曲したシェーンベルクの音楽。

ダンサーたちの動きもまた、情感にあふれて見えます。

今の夫とは別の男の子を宿した女の心理を描き出す。
(当時はエミリー・コゼットちゃんが上手に演じていた)

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男女のカップルが次第に増えていき、8人の女性と6人の男性が男女の形を描く。

男女のシルエットはロダンの彫刻に触発されたそう。

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以上で、ケースマイケルの振り付け分析シリーズ全5回、終了です。