Chose de parler de la danse ダンスについて語ること

Autoportrait de l'auteur en danse :パリ、ダンス、言葉の敷石を踏みしめて

ルグリ率いる「ウィーン国立バレエ団」歌劇場の歴史とバレエ団の開花

マニュエル・ルグリ率いるウィーン国立バレエ、どのようなバレエ団なのでしょうか?

ドイツ語では、Wiener Staatsballett, 英語で Vienna State Ballet と表記されます。

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世界で最も権威あるオペラハウスとして知られるウィーン国立歌劇場

皇帝フランツ・ヨーゼフI世の時代に行われたウィーン都市大改造計画の一環として、ウィーン市庁舎、ブルク劇場とともに建設されたウィーン帝立・王立宮廷歌劇場が現在のウィーン国立歌劇場の前身です。

こけら落としは1869年5月25日、皇帝フランツ・ヨーゼフI世と皇妃エリザベートも臨席したそうで、モーツァルトドン・ジョヴァンニ」が上演されました。

第二次世界大戦で被害を受けた後、再び総監督に就任したカール・ベームの指揮によるベートーヴェンフィデリオ」で、1955年11月5日に歌劇場は再開しました。

今日では、世界最大のレパートリーを誇る歌劇場、重要なオペラハウスのひとつとしてその地位を確立しています。

毎年9月から6月までの上演期間に、60以上に及ぶオペラやバレエのレパートリーを300回以上公演します。

60名の専属歌手、80名のダンサーをもつウィーン国立バレエ団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団員が選抜されるといわれるオーケストラ、コーラスのほか、250名の技術スタッフで構成されています。

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歴代総監督にはグスタフ・マーラーリヒャルト・シュトラウスカール・ベームヘルベルト・フォン・カラヤンロリン・マゼールといった錚々たる芸術家の名が。
2010年9月1日から、総裁はドミニク・メイヤー、ウィーン国立バレエ団はフォルクスオーパー・バレエと統合され、マニュエル・ルグリが芸術監督に就任しました。

ルグリの渾身の指導で、オペラに隠れて二流の座に甘んじていたウィーンのバレエは、急成長、「ルグリのバレエ団」として、世界中から注目を集めるほどになりました。

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ルグリも当初はパリとの違いで非常に苦労したようです。
ドイツ語もできなかったし、何より、オペラ、管弦楽の聖地であるウィーンでのバレエの地位は、パリとは比べ物にならないほど低いものでした。

就任当初の2010年、レパートリーは古典中心でしたが、ルグリはイリ・キリアン、ポール・ライトフット、デイヴィッド・ドーソン、ウィリアム・フォーサイス、アレクサンドル・エクマンといった、これまでに信頼関係を築いてきた15人の現代振付師と作品を作って、団員を育てていきます。

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古典は、白鳥の湖、ヌレエフ版ドン・キホーテくるみ割り人形、アシュトンのラ・フィユ・マル・ガルデ、マクミランのマノンとうたかたの恋、ランダーのエチュードがレパートリー入り。
さらに大きな話題となったのが、2013年、ルイサ・スピナテッリの美術と衣装でルグリ自身が初振り付け、演出に挑んだ「海賊」です。ウィーンでこの作品は上演されたことがなかったそう。
誰に振り付けを頼もうか考えていた際、原曲に含まれているにも関わらずバレエには使われていないリチャード・ボニング指揮の音源にインスパイアされ、自身で手がけることに。リチャードさんはそれを聞いて、パート譜をルグリに送ったそうです。http://into-the-fashion.com/wp-content/uploads/2014/01/fwbvk.vivienne-westwood-ballet-cover.jpg

現代ものでは、ルグリはダニエル・プロイエットの『ル・シーニュ』を観て、その才能を確信。新作を依頼しました。ルグリの直感は当たって「熱意とエネルギーは信じられないほどだった」といいます。

「振付家の中には、コンセプトはあってもボキャブラリー(言葉)を持たない人も多いけれど、ダニエルは伝統への敬意を持ち、バレエという芸術とその歴史について熟知していた」

団員の中にもアンドレイ・カイダロフスキーのように振付の才能を持つ団員がおり、能力を開花させてあげたいと語るルグリ。

5月の来日ではどんな作品が見られるのか、楽しみですね!