Chose de parler de la danse ダンスについて語ること

Autoportrait de l'auteur en danse :パリ、ダンス、言葉の敷石を踏みしめて

パリオペラ座バレエ「オネーギン」ドロテ・ジルベールの回 2幕

パリオペラ座バレエ「オネーギン」解説

(2幕)

2幕では、オネーギンに渡した手紙の反応が気になって反応をうかがうタチアーナの姿が可愛らしい。そんな田舎の小娘に、苛立ちを隠せないオネーギン。

オネーギンのイライラが伝わってくる。タチアーナの想いを受け流すように戯れに踊った後、タチアーナの手紙をつき返す。
涙を流すタチアーナの背後に立ち、手紙をびりびりに破いて彼女の手に押し付ける。

いや、ここまでしなくても。。。と思うけど、この残酷な仕打ちがあって、後半の物語が活きて来る訳なので。

特にドロテのタチアーナはまるでくるみ割り人形を彷彿とさせるほど完璧で可愛らしいので、まあよく彼女を傷つけてくれたわね、といってもやりたくなる。

カード遊びにオルガを参加させ、最初のうちはレンスキーも参加して和やかなムードだったのに、オネーギンが間に割って入る。

軽薄なオルガもいけないのよ〜!フィアンセの気持ちを試すようなことするから!!

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オネーギンと戯れる。オルガは、レオニーラちゃんに比べるともうなんとも地味としかいいようがなくて、ああ、これが持って生まれた「華」の差なのですね、と言いたくなるのを我慢。

グレーミン伯爵さんがタチアーナの手をとって踊る間も、彼女の目は、ずっとオネーギンを追っている。ここはドロテの大げさすぎる演技のほうがよかったかもしれない。

パクは「あまりのショック」のため、うつむいてしまって茫然自失、という感じで、そんなに大げさに目で(マイムなどで)オネーギンを追ったりはしなかった。これはこれでとっても自然な解釈だと思う。先にパクの演技を見ていると、あとでドロテを見た時に「うわ、やりすぎ」感が否めないのだけれど。

パク鑑賞二回目の時は、ああ、もう少し観客にわかりやすく、ここは「演技」に投じてくれてもよかったかもなあ、と思ってしまった。

グレーミン伯爵役は重厚さが必要。なぜならば最終的にタチアナに選ばれる伯爵なので、気位の高さ、落ち着きがもっとも大切な要素かも。その点、昨日の人の方がよかったなあ、と思いながら見ていた。

舞踏会の来客である、田舎風の紳士婦人たちのコミカルな演技はこのシリアスな劇の中で唯一気が和むところ。

気位だけは高いオネーギンは「なんで都会人の自分がこんな田舎くさい宴に出て、小娘の相手しなきゃいかんのだ」と余計にイライラしちゃう。

婚約者にちょっかいを出されたレンスキー、ついにキレます。

オネーギンの顔を白い手袋で叩き、決闘を申し込む。

ようやく自分の軽薄さに気がついたオルガ。遅いんだよ。

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オネーギンは渋々手袋を拾い上げて決闘の申し込みを受ける。この時点では、まだオネーギンはことの重大性に気がついていない。このオネーギンはヒューゴと比較した時に、わりと思慮深さに欠けている感じを出していたかも。人間としての深みがなく、くだらないプライドを優先させた感じをもっと欲しかった。

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殺風景な決闘場所へ向かうオネーギン、ようやく自分の愚かさを知り、恐ろしい結末を予感する。紗幕の向こうには、同じくマントを羽織ったレンスキーの姿。

レンスキーの痛々しい最後のソロ。

可愛い婚約者と新生活が待ち受け、人生は光に満ちていたのに。オネーギンのおかげで全てが狂った。

オリガの軽薄さがわかっただけでも十分ショックだったろうに、男の矜持?を保とうとしたがために、この若さで人生に終止符が打たれるかもしれない。

レンスキーはどこか、確かな予感ーー死を知っていた。

自分から手袋を投げつけたのだから、理想主義詩人としては死へ走るしか道はない。 

ソロは自己憐憫的。確実に死を予感している若者を、ナルシスティックに表現する。

背中を反らせて、そのまま倒れこむのは前日のキャストのほうがよかった。

タチアーナとオルガ、決闘の場所に現れ、なんとかレンスキーを止めさせようとする。

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これ、本国(原作ロシア)ではいろいろ文句があるらしい(笑)女は決闘の場所に行ったりしないのよーーとか。

レンスキーの傷つけられたプライド。黒いマントを身に着けたオネーギン。

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超高速ピルエットを3回回って、決闘開始の合図。もう後戻りできないって、思い知らされる。

レンスキーは、すがりついて最後のくちづけをするオルガを振りほどく。

タチアーナの手に、敬意をこめたキスをする。あとは頼んだよ、とでも言いたげ。

舞台の奥で銃を構え銃声とともに、レンスキーが倒れる。

まるで死神みたいな黒いマントで、舞台中央に歩み寄るオネーギン。

軽い戯れのつもりがフィアンセを死に至らしめた、ということを目の当たりにしたオルガは倒れこむ。厳しい視線を、瞬きもしないでオネーギンに注ぐ、タチアーナ。

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オネーギンは自分が唯一の友であるレンスキーを殺してしまったことを実感する。

ようやく、苦悩に顔をゆがめ両手で顔を覆って嗚咽。