Chose de parler de la danse ダンスについて語ること

Autoportrait de l'auteur en danse :パリ、ダンス、言葉の敷石を踏みしめて

Ballet National de Canada (カナダ国立バレエ団) パリ公演感想

シャンゼリゼ歌劇場恒例となった「トランサンダンス」シリーズ。
カナダ国立バレエ団のジョン・ノイマイヤー振付『ニジンスキー』で始まりました。
2000年にハンブルク・バレエ団によって初演。

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ノイマイヤー氏自身が手掛けた舞台セットも見ものです。
物語は、とある30歳のダンサーが、自分のパトロンだったディアギレフが登場したという幻想と錯覚に紛れ込み、バレエ・リュスの栄光の年月(第1幕)と第1次世界大戦(第2幕)を背景に、狂気への背景を描く、といったもの。
目の肥えた観衆をも満足させる、よくできた筋書きです。

『薔薇の精』『シエラザード』『牧神の午後』など昔、栄光の絶頂にいた頃の自分の役が幻のように、ニジンスキーの妄想の中に現れます。
同時にバレエ・リュスの主宰者ディアギレフとの出会い、南米ツアーに向かう大型客船上で、後に妻となるロモラとの出会いといった史実に基づいて、物語の構成は歴史上の観点からも、非常に興味深いもの。

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コルサコフ作曲『シエラザード』とともに、観客はニジンスキーとともに旅をするような、なめらかな展開です。

後半は、ショスタコーヴィッチの『交響曲第11番』、大戦がニジンスキーをダメにしていく過程が鬱々とした音楽とともに辿られていきます。

ニジンスキー、牧神、ロモラのパ・ド・トロワも、言葉や文章には決してできない、曖昧な感情をうまく「身体」という言語で表現されました。ブラボー。