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Chose de parler de la danse ダンスについて語ること

Autoportrait de l'auteur en danse :パリ、ダンス、言葉の敷石を踏みしめて

APPROXIMATE SONATA アプロキシマート・ ソナタ / フォーサイス振り付けによる

Danse Quotidien

f:id:kotorio:20160705054655p:plainプルミエ公演、見に行かなければきっと後悔するだろう。そう思って、遅刻覚悟で出かけて行った。10分の遅れで途中入場させてもらったけれど、がっかり!

1演目はOF ANY IF AND、まず、演奏がオケでなくテープ。さすが10ユーロの席だけあって(前回は前列で遮るものがなくて楽しめたけれど)今日の席は左側バルコニー後列6番。柱の陰で、舞台の上手の一角ぐらいしか視界に入らない。2人のデュエットなのにダンサー見えず。床と空間だけを眺めていた。すぐに廊下の案内係りの男性に「ダンサーが見えないんだけど。ひどい席なんだけど」と訴えたら、女性のボスがでてきて「当たり前よ。10ユーロだもの。見えるわけないじゃない」と一喝。私は席に戻り、20分間、暗い、黒い舞台空間の端っこだけを眺め続けた。舞台上で何が踊られているのか、誰がいてどんな動きをしているのか全く見えない。

2演目目、アプロキシマート・ ソナタ、これは通常オケピットの上までダンサーがでてきたり、ちょっとしたセリフがあったり、非常に面白い振付けだった。圧巻はマリー・アニエス・ジロだけれど(エトワールがでていること自体信じられないが)注目株のオニール八菜さんも主要ポジションを担当。よくも悪くもアジアティックな感じは否めない。

3演目目は小作品がごちゃごちゃ集まった感じだけれど、とにかくパリオペの人々の身体が統一され、ニューヨークシティーバレエ、ボリショイもかなわない、世界最高峰を名乗るバレエ団とわかる。彼らは幼少時から現実世界と隔離された、バレエだけの空間で、バレエの神様から選ばれて、そのためだけに存在しているのだ。彼らの心も身体も、この地上ではすべて踊りに捧げられ、24時間365日、43歳の定年を迎えるまでそれのみに生きる・・・細胞のひとつひとつまでもが神格化され、精神の糸がすべてバレエのためだけに存在している、そんな団体、パリオペしかないと思った。

美しいものが好きだった。

10年前はああして踊っていたのに。肉体を作り上げていたのに。生まれ変わったら、あんな風に「この世に生まれたミッション」を全うする、ただそれだけの生き方をしたい。。。

最後はウイリアム・フォーサイス自身もでてきて、スタンディングオベーション。彼はすでに60代半ばだと思うけれど、2年ほど前、重篤な病に冒されていると聞いた。

世界最高峰のバレエ団に、彼のモダニズムはもったいないというか、やはり正当な古典を踊れるだけのテクニック、身体、訓練を受けている人々だから、たかがニューヨークのバレエ団でも踊れそうなこんなコンテンポラン、何もパリオペでやる必要はない。それもミルピエ監督が内部から反発を受け失敗した改革のひとつだと思う。パリには彼らの伝統とプライド、価値にふさわしい演目はいくらでもあるはずだから。