Chose de parler de la danse ダンスについて語ること

Autoportrait de l'auteur en danse :パリ、ダンス、言葉の敷石を踏みしめて

アニばら第37話熱き誓いの夜に La nuit du serment solennel

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英語版タイトルは「On the night of passionate vows」7月12日から13日未明までの出来事です。

 
12日、アンドレ、宿舎のベッドで日記をつけるシーンから。彼のナレーション(独白)という形をとって、明るい未来とほぼ対極にある現状を淡々と語らせる。ってか、もう目、ほとんど見えていないのに、そんな暗いところでペンを走らせていられる状態だったのか気になりますが・・・。書いた字すらまともに見えなかったのでは?37話目にしてこのイントロ、インパクトありまくりでした。
 
opあと。オスカル様ベッドで眠れない様子。《夜分遅く》に、主治医ラソンヌ先生を訪ねる。診察後のオスカルが軍服のボタンを留めている。(ちょっとドキドキ)いつでも出動に備えて、寝るときも、外出時でさえ軍服なのだ。
「覚悟はできています。自分のことは知っておきたい」とオスカル。ラソンヌ先生は風邪が長引いただけだと嘘をつくが「私が知りたいのはあとどれ程生きられるかということです」と冷静なオスカルに「結核は治らん病気ではない」と打ち明ける。「いずれそのときが来るなら精一杯生きたい。自由に・・・そしてあるがままの心で」ラソンヌ先生、このままではあと半年の命だと告知する。オスカルが胸をやられたのは、転属に伴う極度のストレス、疲労、などが原因と思われるが、そういえば脊椎カリエスのジョゼフにキスされてたっけなあ、なんてこともふと思いだします。自らの残り時間を知り、むしろ明らかになったことでホッとしている感すらあったが、同時にアンドレの目について聞かされたオスカル、寝耳に水といった感じで、動揺しまくる。この夜なんて、ほとんど眠れていないのではないか。起き上がり「アンドレ・・」とつぶやいて頭を抱え込むオスカル様。激しく自分を責めているのだと思う。アンドレの目の原因を(直接的ではないにせよ)作った自分。加えて、これだけ近くにいながら気づかなかった自分。目のことを一言も言わず、自分に隠し続けていたアンドレの心中いかばかりかと、それだけを考え、胸をかきむしるような思いでいたのだと思う。
 
5分30秒。出がけにばあやから、午後肖像画の最後の仕上げに画家がやってくる旨を伝えられ、なるべく早く戻る、待たせておくように、と指示。
6分、衛兵隊宿舎では、いつものようにカード遊びに興じている隊員たち。。A中隊に出動命令が下った。次は自分たちB中隊だろうと。誰と戦うのか?ーー武装した市民たちとーーーたまらねえな、と。アランとアンドレはそれぞれの思いを抱えて、自分のベッドの上にいる。おそらく、アンドレは何があってもオスカルを信じ守り抜く覚悟。対してアランは隊長がどう出るか、フィフティーフィフティーの確率で、自分たちのとるべき道をシュミレーションしていたのかも。
6分55秒。司令官室のオスカル「やけに今日は静かだな」。ダグー大佐は、A中隊が出動命令を受けてパリへいったこと、自分たちB中隊も出動に備えてパリ巡回を見合わせるよう、との指令を伝える。「待機せよ、だな」「はい」「うん、ありがとう」ーーこの2人のやりとり、なんでもないのですが、「間」というか、呼吸がなんともいい感じ。が、ダグー大佐の見せ場はここから。
オスカルに「顔の色がすぐれない、屋敷へ帰って待機する」ように提案。何かあれば使いを出す、と。「ははっ、何を言っている、大丈夫だわたしは」このオスカル様の言い方。相手を心配させない、いつもの「心遣い100パーセント」の彼女らしくて泣ける。ところがここばかりはダグー大佐のほうが一枚上手だった。「わたしの《妻》が昨年死にました・・・胸の病で」もうだいぶ前から気付いておりました、と涙をあふれさせる大佐。ちょ、ちょっと待った!細かいことだけれど、ダグー大佐とオスカル隊長はもう1788年4月以来、1年4ヶ月も一緒に働いているのよ??昨年って、オスカル様が知らないって変じゃない?ということで、辻褄合わせを考えてみます。もしダグー大佐の奥様が亡くなられたのが、オスカル様衛兵隊転属前の1788年1月から3月末までの間であれば、オスカル様はその事実を知らなかったとしても不思議ではない。昨年4月、新任の隊長を迎えた時は、ダグー大佐は、まだ悲しみの中だったのかもしれません。その後も、何かと忙しい隊長に対して徹底的に自分は補佐に回り、プライベートなど、うち開けるようなことはなかった間柄だったのでしょう。「だいぶ前から」わかっていながらも、あえてそれを指摘することは避けてきたダグー大佐の気持ちはわかります。が、それにしても、一視聴者としては「よかった、オスカル様を見ていてくれる人がいたんだ・・・」という、安心感がじわじわと。衛兵隊転属後の1年と少し、アンドレとはあくまで上司と一兵卒の関係だし、彼は彼で自分の目のことがあって、オスカルの体調にまでは気がつけない。唯一異変を察したアランも、アンドレに警告を鳴らすにとどまっています。本人が隠しているのだから、仮に気付いたとしても周囲もそれに合わせていたと思いたいけれど、それにしても、誰か満身創痍のオスカル様を気遣ってよ!!と叫び出したかった人は多いですよね?もし近衛だったら・・・18年連れ添ったジェロだったら、どうしたかな?早々に気付いて、自分が隊長代理を引き受け、強引にでもオスカル様に転地療養を迫っただろうか、それとも、やりたいようにやらせて、側で見守っただろうか・・・。人として尊敬もし、女性として愛する人であれば、ジェロがどういう判断をしたかは、本人のみぞ知る・・・か。
 
ダグー大佐のいう通りにして(素直に認めたことが、ダグー大佐へのオスカル様の誠意だったんじゃ)屋敷へ引き上げることにしたオスカル。が、その前に、一つ確かめておかねばならぬことが・・・。
 
8分50秒。司令官室に呼ばれたアンドレ、full nameを名乗って入室します。律儀に敬礼までして、そのくせ「パリの状況はますます悪化、民衆の声がこの兵舎まで聞こえてくるようであります、なんて。ははは・・・」とあくまでユーモアで明るく笑い飛ばそうとします。こんな時に自分にできるのは、オスカルの心配を少しでも和らげてやることぐらいだ、という気持ち。が、肝心のオスカル様の返事はなく、椅子に座っていないことがやっとわかります。「なんだあいつ、人を呼びつけておいて・・・」と部屋を出て行ってしまうアンドレ。視聴者には、すぐそこの壁にもたれ、腕組みをして様子を見ているオスカル様の姿があることがわかっています。こっ、この至近距離で!!目が見えない分、(仮にも愛するオスカル様の)気配、気づくだろーと思わせつつ、まあここは自らオーラを消したオスカル様のほうが一枚演技が上手だったとみるしかない。「・・・お前にはもう、私すら見えないのか?!」オスカル様の閉じたまつげが震えています。相当ショックだったに違いない。そして(1)窓から飛び出て中庭を先回りした (2)アンドレが歩いて行ったのとは反対方向へ、遠回りだがダッシュして先に到着 のどちらかなのですが、アンドレが建物の外に出た時にはすでにオスカル様、何食わぬ顔で歩いてきて、「私の部屋へ行ったのか?すまなかった」と言っている。おそらく「私に目のことがバレていることを、アンドレ本人に知られてはならない」という一心で。「今日は勤務はない、命令待ちだ。一緒に屋敷へ戻ろう」というオスカルに「しかし、命令待ちならば俺はみんなと一緒にここに・・・」あくまで一兵卒として答える真面目なアンドレ。極めて妥当な返事だ。しかしオスカル様の本意はそこではない。あと一押しが必要なよう。もうほとんど見えていないだろうアンドレの手を両手でとって「供をしてほしい・・・たまにはな」屋敷までの道はもう一人では物騒だからな、と無理な作り笑いをしてみせる。アンドレ「ん?」という感じで(もちろんセリフはない)見えないはずの目を細めている。衛兵隊以降「供をしなくて良い」と何度言われたかしれず、拒否られつつも自分が勝手に、独自にオスカルの側にい続けたのだ。それが突然「供をしてほしい」とは、一体どういうことか。ぬか喜びなどできるわけもなく、返ってアンドレ「なぜだ?何があった、オスカル?」という、心配と、ひとかけらの不吉な要素を直感したのだと思う。
 
午後、屋敷で肖像画のモデルになっているオスカル。目を閉じてーーアンドレの目のことをずっと考えていたのでは。
サファイヤの瞳を入れて、ついに肖像画の完成。画家曰く、静かなようで心の中は燃えているーーージャルジェ将軍が「神話に出てくる軍神マルスの扮装ではないか」と大絶賛している間、オスカル様はアンドレの様子を気にしている。
 
13分からのアンドレとオスカルの二人のシーンは、歴史に残る名場面。
「美しい・・・例えようもなく・・・輝くお前の笑顔が、この世の光を全てその身に集めているようだ・・・とくに、ブロンドの髪に置かれた月桂樹の冠が鮮やかだ・・・」アンドレ、絵を見上げ、賞賛の言葉を重ねます。が、オスカル様の心の中は「(アンドレ、無理をしなくてもいい・・・お前の目が見えないのはわかっているんだ。その絵の私は月桂樹の冠などかぶってはいない・・)」。目を閉じ、ハラハラと涙を流します。
アンドレの賞賛の言葉は続きます。「白い花が、一つ、二つ・・・いや、野原一面に・・・どこの森だろう・・・そうか、いつか行ったアラスの泉の中だ。そうだよな、オスカル・・・!」
「そうだよ、画家のアルマンは、わざわざアラスまで行ってスケッチしてきたと言っていた・・・」
オスカル様の声が、泣いているのを気づかれまいと、必死になっている。その声は、とても温かく、女性らしい。
「素晴らしい絵だ・・・お前のやさしさ、気高さ、そして喜びまでもが全て表現されている。忘れないよ俺は・・・この絵に描かれたお前の美しさを、決して忘れない・・・・!!」アンドレ、拳を握りしめて、彼の顔こそ見えないが、輝いているような気がする。
彼はどうして(やめときゃいいのに)こんな言葉を連ねたのか?だってちょっと考えれば、嘘だってバレバレじゃないですか。言えば言うほど嘘を重ねるだけ・・・。いいえ、アンドレには実際「見えて」いるのです。アンドレの心の目が見ている「オスカルの肖像」。それを彼は忠実に、ていねいに、言葉で描写したに過ぎない。何一つ嘘じゃない。それは例えこの世の光を失ったとしても、アンドレの心が永遠に見続けることのできる「オスカル」。それこそが、彼にとっての真実なのです。愛し、守り、ともに生きるただ一人の女性の姿。それを精一杯の持てる言葉で、伝えようとした。そこに現実のオスカルがいるかどうかは問題ではない。彼は自分のまぶたに浮かぶ絵の中のオスカルに向かって語りかけているのだと。
その深い想いは、千の「愛している」より、万の誓いより、オスカル様の胸に届いたのだと思います。オスカル様、止まらぬ涙をぬぐうこともせず、ただただ、アンドレの背中に向かって「ありがとう」を繰り返す。それは、オスカル様の33年間の人生全てをかけ、アンドレの愛に応える、ただ一つの言葉だったのだという気がします。
 
14分。ダグー大佐の言いつけでアラン自ら、隊長の屋敷へ早馬でやってきました。この役目を務められるのは、彼以外置いて他にいないーーー明日午前8時、B中隊出動命令ーーーオスカル様「出たか、ついに」アラン「そういうことです」先に隊へ戻ってくれ、すぐに後を追うというオスカル様。
 
15分30秒。うまやで準備をしているアンドレ。オスカルがきたのだと思って「鞍の用意はできた」と言ったところ、近づいてきたのがジャルジェ将軍だとわかり「あ、だんな様。これは失礼を・・・」と。この声のトーンの微妙な切り替えがもうたまらない。志垣アンドレーー上手い〜〜〜。考えてみればあの「成敗事件」以来、初の男二人のご対面だったかもしれない。そして最後の会話でもあった・・・。
明日の出動を聞いて「万が一、お前とは今日限りということもありうる。一言だけ、わたしの気持ちを伝えておきたいーーーもし、お前が貴族なら、お前とオスカルの結婚を許していただろう。いや、心からの祝福を送っていたはずだ・・・」。いちいち「はい」と律儀に応えるアンドレの呼吸、視聴者にはすごく近くに感じられる気がする。アンドレの肩をがっちりと両手でつかんで・・・そこをたまたまオスカル様、入り口のところからそっと見ている。ジャルパパ「死ぬな、アンドレ。必ず帰ってこい(=オスカルはお前にやる)」「もちろんです、だんな様・・・」男二人の和解。というより、義父と嫁ムコ、といったほうが相応しい。オスカル様、そっとその場を立ち去る。
 
18分22秒。大きな太陽が今にも沈もうとしている。オスカル&アンドレ、宿舎へ向かうものの、アンヴァリッドへ向かう民衆の群れに見つかり、武器を奪われそうになる。「アンドレ、わたしから離れるな!」というオスカルの言葉に、「?」表情のアンドレ。言葉の真意を測りかねている。「もっ、もしかして目のこと、ばれてるんじゃ・・・?」という不安がよぎったんじゃないかと思う。
川を渡る途中、アンドレの頭に民衆の投げた木の棒?が命中。オスカル、アンドレの馬の手綱を引き、懸命に向こう岸にたどり着く。
 
いつのまに気を取り戻したのか、アンドレ、なんとか大丈夫そう。が、二人は周囲を民衆に囲まれ、仕方なく迂回道を行くしかない。みれば空にはとうに、大きな月が出ている。フランスの夏であることを考えても、22時は回っているかな、と思う。アンドレの頭の傷を気遣いながら、(といっても横顔で血が流れているのがコワイ)「よくも今までわたしを騙し続けてきたな」。黄色と緑のホタルが交差している。光るのは未交尾のホタルたちのセレナーデ、愛の証。そして交尾・産卵後ははかなく消えてしまう、短命の象徴でもあります。今を限りとばかりに輝くホタル・・。(余談ですがフランスにもホタルがいるのだとわかりました・笑・仏語で「luciole」ルシオール)
オスカルは右目のことをラソンヌ先生に聞いた、と切り出す。「もう、ほとんど見えていないんだろう?」の言い方が優しくて早くも泣けます。
「もう一度屋敷へ戻ろう。明日のパリへの出動にお前を連れて行くわけにはいかない。お前をばあやに返し、宿舎へは私だけ戻る」そうしてくれアンドレ、お前に万が一のことがあってはいけない・・・・もしこんな風に民衆に阻まれず、アンドレが怪我を負わず、無事隊舎へ戻ったとしても、オスカルは早い段階で「翌日の出動へはアンドレを連れていかない」ことを伝えたと思う。お前はここに残れ、と命令しただろう。対して、アンドレのほうはどちらにせよ、揺るぎない決意であることに変わりはないのだが。
「俺は行くよ、オスカル。今までもそうだったが、これからもそうだ。俺はいつもお前と共にあるーーー」
ここでBGM「愛のテーマ」(勝手に命名)入ります。「アンドレ、私はかつてフェルゼンを愛した・・・お前に愛されているのを知りながらもフェルゼンを愛した・・・そんな私でもなお、愛してくれるのか?」
ええええっーーーー・・・。皆さん、ここでフェルゼンの名前が唐突に出てきて、び、びっくりしませんでしたか??私なんてぶっとび寸前でした。えええっ・・・フェルゼン・・・もうとっくに彼の出番は終わったと思っていたのに。こ、こんな大事な場面で、このシュチュエーションで、とうに忘れ去った他の男の名を出すか〜〜??と。
しかし、アニばら、理由のないことは一秒も起こっていないはず。視聴者には、一見唐突に聞こえてしまう「フェルゼン」の名も、登場せざるを得なかったオスカルの心の動きがあるはず。・・・それをじっくり考えてみよう。
仮に、です。もしフェルゼンがオスカル様の心に1mgでもあったら、この名を出せなかったはずです。つまりこの名がオスカルの口から出たということ=もうオスカルの心からは「完全に」消えた存在だ、ということ。「他の男を愛した」と言ってみたところで、フェルゼンであることはバレバレなわけで・・・彼女にしてみれば、最愛の人の前でそれは誠実な態度とは言えない、という気持ちがあったのでしょう。考えてみれば、オスカル様が「フェルゼンを愛した」と誰かに打ち明けたのって、この時が初めてなんじゃないかと思うんです。現在進行形だった時はもちろん、その後も(当然アンドレには全て分かっていたけれど)こうして口にするなど初めてのこと。で「こんな私でも」あなたを愛するのに価する人間ですか?と問いかけているわけです。
オスカル様、とっくに自分の心に気付いてはいたはずなんです。それでも告白ができなかったのは「こんな自分」はアンドレの深い愛に応えられるだけの資格のある人間なのか、という迷いがあったからなんですよね。決定打はアンドレの失明をしったこと。この時から、できるだけ早い段階で、自分の気持ちを打ち明けなければ、という気持ちの変化が現れてきます。ずっと負い目になっていた「フェルゼンを愛した、それでも・・・」という一連のセリフが出てくるのは、突然どころか、彼女にとってもっとも障害となっていた負い目の部分であり、真っ先に伝えるべき優先事項に他ならないんだ、という解釈の仕方です。
 
「全てを…命ある限り…」「ああ、アンドレ!」胸にすがりついて泣くオスカル。「アンドレ…、愛しています、私も、心から。。。」
その手を優しく握り返し、アンドレは遠い目のまま(ほとんど見えていない)「わかっていたよ、そんなことは・・・もう何年も前から・・・いや、この世に生を受ける前から・・・」オスカル様を抱きしめて、おそらく初めて合意の上での口づけ。
ぎゃー・・・アンドレのセリフ・・・こ、こんな深い愛があって良いのかーーー。そう、アンドレにはわかっていたんですよ。海のように深く広く、彼女をどこまでも信じ、愛し、守ることができた。フェルゼンがどうだろうが、過去の自分たちがどうだろうが、こうなるのは定めだと知っていたかのようなアンドレの深〜い愛。神は、結ばれるために二人を創造したのではないか?生まれる前から決まっていた二人の絆。
オスカル様、ブラビリ事件以降の自分の行為(敢えてアンドレを遠ざけようとした)を、今ひどく後悔したんじゃないかと思う。そんな小手先の処置で薄れる程度の、見せかけの「愛」なんかじゃなかったんですよ、アンドレの愛っていうのは。それがわかった時、オスカルは自然と「今、全てを捧げたい」という気持ちになったんじゃないかと思う。ヅカ版では「お前の愛がどんなものかわたしに見せてくれ」だけど、アニメ版オスカル様の場合、ただただ、アンドレの深い愛の前に「あなたのものになりたいーーー」と、そういう感情のような気がします。
もう一点、細かい違いですが、アニメ版では「あなたがいれば、わたしは生きられる・・・いえ、生きていきたい!」(=「もう長く生きられない」ことが前提。その上で、アンドレの愛を得て「生きて行ける、生きたい」と思う→生きる喜びを知った上での生への渇望)
原作「あなたなしでは生きられない」(=一人で「生きている」ことが前提。それに不可欠なのが「あなた」の存在、の意)なので、この二つって、よく考えると正反対の立場から言っているわけなんですよね。
 
暗闇の中を、光を発しながら舞う、黄色と緑のホタル。月の光だけが二人を照らしている。
ーーーー今、オスカルは、アンドレ・グランディエの妻となったーーーーーー。
ええええっ・・・・!??
とっ、とりあえず、バックが銀河で・・・・太古の昔から人類が繰り返してきた営みを、今この二人も・・・儚き生をこの世に受けた者同士、宇宙の中ではチリにも満たない、小さな、小さな、存在かもしれないけれど・・・・って趣旨はわかるような気もしますが。人がきれいだというホタルの演出も、わたしはそれほど惹かれなかった(ベタだなーぐらい)。
そ、それにしても初めてが「野外」ってどうよーーー・・・。だって周囲は武器を手にした民衆で囲まれ、今はいっときも早く隊舎へ戻らねばならないそんな時。さっきアランに「すぐ後を追う」って言ってから、かなりの時間が経過してしまっていますよ?
 
脚本を担当したのは杉江慧子さん。「オスカルの部屋では従僕を女の方から誘い入れることになる」とかで最終的に「森の中」案が採用となった経緯があるそうですが(この辺りはまた改めて)まあ確かに、隊舎へ戻ってからってわけにもいかないだろうし、こうするしかなかった・・・うん、それはよく理解できるのですが・・・。どうも私の中の何かが受けつけていない感じ。
加えて、この二人の裸体・・・理由がうまく説明できないのですが、どう見ても、あまりに美しくなさすぎて。個人的には、このシーンの原作画に惚れ惚れしていたし、終わった後、涙を流しながら口づけ、ってあのシーンもコマ割りも、くらくらきてたたちなのです。アニメ版の二人が裸で抱き合っているのを見た時、それぞれの肌の色にも幻滅してしまったし、えええーっ、なんだか、とっても美しくなーい・・・と、結構ショックだったわけです。
それに、森の中で、暗闇の中で、ああっ、服を脱いで、どうやってコトを成したのか。下は草?それとも土?服を敷いたのかしら?とか。しかもアンドレ、見えない目で・・・。オスカル様に至っては、余韻も冷めやらぬうちにまた軍服を身につけ馬にまたがるなんて・・・リ、リアルに想像してはもう身が持ちません。ど、動悸が・・・
 
21分、肖像画の前のジャルパパ。ーーー別れをいうのを忘れてしまった・・・いや、言わぬ方が当たり前か・・・またここへ戻ってくるのだからーーーと心の中でつぶやいています。「生きろ、オスカル。お前の心の命ずるままに」何か、この父もオスカルが今しようとしていること、向かおうとしていることを、薄々とではあるが、感じている。それを含めて、このセリフ(生きよ、心の命ずるままに)なのだと思う。ばあやはオスカル様から手紙を預かっています。うまやでの二人の会話を聞いた後にしたためたものか・・・アランの連絡を受けてからは、準備出来次第すぐに出るつもりだったと思うし、ゆっくりしているような時間もなかったはず。それでも最後、父と顔を合わせないであろうことを前提に、したためていたその手紙・・・読み上げてくれ、と言われ開いた、ばあやの顔も声も凍り付いてしまったのは、世に言う書き置きーーー日本語にすると重すぎて憚られるのだけれど、言ってみれば「遺書」も同然の一言だったわけで。
「私ごとき娘を愛し、お慈しみくださって、本当にありがとうございました」
たった一行、その一行の意味に、父の目から涙がこぼれます。「それではまるで本当の別れのようではないかーー許さん、許さんぞオスカル!」。
 
22分12秒、「優しさの贈り物」のサビだけがここで挿入されます。ああっ、この曲のこの部分が流れると、もうわけわからんままにとりあえず大感動、というか。そんな中でもディティールに注目してみますと、横に並んだ二人の姿も、バックからの最後の止め絵でも、《妻》となったオスカル様が、アンドレの少し後ろを走っている。ーーーアンドレ・・・あなた目、目は大丈夫なの??また要らぬ心配をする私だが、空はもう夜明けが近い。ってことは、一体どれぐらいの時間、二人は森の中に??
 
さあ今回も怒涛の予告編です。「全ての苦難を超えて、今結ばれたオスカルとアンドレ。新しい世界の扉を開けるために立ち上がった二人だったが王室側の兵士の打った一発の銃弾が、今や愛する夫でもあるアンドレの胸を貫いてーーー」
森の中の出来事については、あくまで視聴者の想像に任せ「まさかやってまではいないだろう」だって十分ありなはずだったのですが、ナレーションが「今結ばれた」って言ってます・・・。や、やっぱり夫婦としての契りを交わしているのよね???
次回は現在に至るまで物議を醸し出している例の「問題発言」及び、数時間前にオスカル様の体を駆け抜けていったはずのアンドレが・・・。