Chose de parler de la danse ダンスについて語ること

Autoportrait de l'auteur en danse :パリ、ダンス、言葉の敷石を踏みしめて

第26話 黒い騎士に会いたい! Je veux rencontrer le chevalier noir

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英語版タイトルは「I want tot see the black knight!」です。1787年冬ごろ?オスカル様32歳です。前話が30歳でしたから、アニメではこの間2年近くの時が流れてしまっていることになります。原作ではフェルゼン帰還と黒い騎士が同時進行でした。そう考えると、オスカル様、これからの2年の物語残り15話となるわけで、密度の濃い、普通の人の何十年分にもあたるものを怒涛のように経験していくことになります。

 
冒頭の黒い騎士、マスクの上からもなかなかのイケメンであることがわかります。ジャルジェ家はばあやが厳重な戸締り。あの取っ手部分は大真面目にフランス式です。今の私の部屋の窓もあれとそっくり。
最近アンドレは夜に「遠乗り」に出かけているという。そのポケットから覗くネックレスも、オスカル様の疑惑を誘発するのに十分すぎる材料。
5分30秒、いつも通りの二人仲良しご帰宅風景です。14歳の頃からかれこれ18年、ですか・・・。
アンドレに舞踏会の日程表を作るよう命じます。しかし連日の張り込みにもかかわらず、黒い騎士なかなか現れません。まるで「私が狙っているのを知っているかのようだ」。ジャルジェ家サロンのティータイムでアンドレ=「オスカル、こうまでして捕らえる必要があるのか?」オスカル=「盗っ人は盗っ人だ」アンドレを伴っていなかったその夜に限って、黒い騎士登場。シャンデリアに乗って、サーカス団員も真っ青のなんたるアクロバティック。黒い騎士、かなりの身体能力に長けているものと思われます。オスカル様、逃すかと追いかけます。「戦いのテーマ」(勝手に命名)が流れる中、ベルサイユ→パリ間20キロを飛ばします。時速40キロで走ったとして30分。黒い騎士は銃の使い方も心得ている模様。逃げ込んだのは、パレロワイヤルです。現在、パリのメトロ1番線の「パレロワイヤル・ミュゼ・ド・ルーブル」という長ったらしい名前の駅が最寄りですが、そこを通るたび「あー、オルレアン公の居城が・・・・」と(笑)
拳銃で一撃をくらった頭で頭突きするとはほんとオスカル様自殺行為もいいところですが、決死のダッシュ!倒れこんだそのお家は・・・
 
オスカル様、眠っている間に夢を見ます。アンドレが黒い騎士だった・・・だからわたしを殺さなかったのか、と。
目が覚めて迎えたのはこの人。10話ぶりぐらいの久しい気もしますが、なんとたった一回レギュラーおやすみしただけのロザリー。
ポリニャック家を出てパリへ来たいきさつ云々かたった挙句「貴族なんて大っ嫌い!」とは、あんた、お世話になったオスカル様に向かって何言ってんの???そりゃないでしょ。
原作ではオスカル様、極貧スープを前に、食事の前に「ショコラかカフェオレか・・・」と口走るオスカル様ですが、アニメ版ではそうしたセリフは無く、「何を言うか・・・こんなにあたたかいスープ・・・久しぶりだ」と目に涙が光ります。
いつ戻ってもいいようにそのままにしてあるよ、というオスカル様。原作のロザリーはちゃっかりお持ち帰りされちゃいますが、アニメロザリーは「いいえ。ロザリーはこのパリで暮らします。やっぱりこの街が好きなんです」ときっぱり。自分の意思で、パリで生きることを選びます。そこがアニメ版では高く評価されているところらしいのですが、わたしはそこまで素直に賛成はできません。なんというかこの子、何をやっても勝手だな、という印象が強いんです。私の感想って、全編通して同性であるロザリーには少しキツイ当たりのようですね。
 
15分09秒、ジャルジェ家に戻って、暖炉前。頭に包帯を巻いてまだ痛々しいお姿のオスカル様に向かって、アンドレ「よかった、その程度の怪我で」とはなんたる暴言!!お前がばあやの孫でなかったら横っ面を張り倒しているところだ・・・・(笑)
で、かの「遠乗りの場所」へ案内します。
無知な民衆を扇動する、言ってみれば洗脳委員会なわけですが、お気楽アンドレ、「勉強会」と。「俺にも何かが聞こえてくるんだ。せめて新しい時代がなんであるか知る権利はある」という。
窓の外は珍しく雪・・・雪が使われるのは非常に珍しいです。季節は冬なんですね。オスカル様「黒い騎士はその代表者だとでもいうのか?」とらえてみたい、会ってみたい。ただの盗っ人なのか、そうではないのか・・・オスカル様のこの嗅覚こそ、やはり凡人とは違う、その後己の辿る運命を、どこかで冷静に見据えていたような気がします。
 
さあここが原作との大きな相違点です。オスカル様、自ら黒い騎士に変装します。原作ではオスカルとアンドレはまだこの段階ではギャグタッチで描かれる関係性。嫌がるアンドレを、オスカル様容赦なく上から目線で黒い騎士になるよう命じます。が、アニメ版では、オスカル様の変装姿をみて「その金髪じゃ無理だな」と一言。その場でバッサリ髪を切って見せて「その点、俺ならぴったりだ」と自ら役を買って出るわけです。アニメでの二人の関係は少し距離を置き始めた微妙な時期に差し掛かっていることもあって、これにはオスカル様のほうがびっくりしたんじゃないかと思います。加えて、オスカル様がアンドレに無理強いをしたのではなく、アンドレ自らが進んで行ったということで、その後のオスカル様の責任(アンドレの目に対する)を軽減する措置をとっています。
 
さあアンドレ、かなりの仕事ぶりを発揮します。なんだかとっても楽しそうです。
ジャルジェ家の戸棚には彼の功績である盗んだ宝物がいっぱい。「騎士は騎士らしく、礼儀正しくな」、とのオスカル様の言葉通り、のちに持ち主に返したのかどうか、これはアニメ・原作とも永遠の謎、ベルバラ10大不思議のうちの一つです。
アニメオスカル様、ますますアンドレに精神的な距離を置こうとしています。「この仕事が終われば、勉強会でもどこへでも毎日行くがよい」突き放すようなことを言います。お互いの心が独立しはじめ、同じ屋敷に住んでいても別の人間、別の人生があることをオスカル様は否応なしに感じ始めていたわけで「その時は遠慮はいらん。お前は貴族ではないのだから」とアンドレに言うのですが、逆にアンドレのほうは、自分の心が伝わっていないことに憤りを感じます。(何をいうか、オスカル!)オスカルのためでなかったら、誰が好き好んでこんな格好をするかと、視聴者だけが二人の心のすれ違いにもどかしくなります。夕暮れが迫り、支度をしろ、といったオスカルのティーカップを、黒いカラスが直撃してそれは床に粉々にくずれます。オスカル様・・・・「何か嫌な予感がする・・・大切なものを失うような・・・」この直感は、わずか数時間後にほんものになる・・・。
 
20分、ナイフ2本でクライミングするアンドレ、さすがの手際の良さです。「才能あるどころじゃないね、天才かもしれんぞ、俺は」のセリフ、個人的には超超超萌えどころなんですが〜〜〜。この志垣アンドレの声、すっごいツボなんです!!これ、密かに名台詞だと思ってる方、ほかにいらっしゃいます???ほんと好きなんですよね、このセリフ。
 
ついにでました、本物さん。「私の名を借りて私利私欲をむさぼるニセモノめ」って、アンドレに負けず劣らずいい声してます。アンドレ「意外と遅かったな」。オスカル様が銃を構えて控えていました。そこで黒い騎士二人の一騎打ち。なかなか本物、剣も強いです。アンドレと互角に戦います。原作では鞭で叩くのですが、ここでは剣でざっくり切られることになっています。
目が・・・目が・・・と地面にのたうち回るアンドレの右手の動きがリアル、かつ秀逸です。割れたティーカップのシーンが再現され・・・こっ、こんなところで《続く》。リアルタイムで観ていたら、翌週まで食事がのどを通らなかったかも・・・。