Chose de parler de la danse ダンスについて語ること

Autoportrait de l'auteur en danse :パリ、ダンス、言葉の敷石を踏みしめて

アニばら第14話天使の秘密 Le secret de l'ange

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ここからアニばら「中期」の設定に入らせていただきます。19話までは監督不在。

そのためか、当たり障りのない、原作にわりと忠実な脚本となっているような気がします。
 
英語版タイトルは「The Angel secret」毎度わかりやすくていいのですが、なぜ'sが付いていないか疑問です。
1776年ごろ、オスカル様20歳ぐらいと思われます。
 
ベルばら聖地、アラスではオスカルとアンドレは10日も一緒だったのですね!!アラス亭にお泊まりでしょうか。も、もちろん部屋は別々・・・い、いけない、何を想像しているのでしょう。ただアンドレもいうように「たった10日で何年分かのことを見てしまった」、オスカル様、眠れずに朝を迎えたこともあったでしょう。。。。アンドレ・・・チャーンス・・・だったのに???
 
opあとはポリニャック夫人の台頭が描かれますが、この女、正直どうでもいいです。
他の悪女キャラに比べて、いまひとつ闇の部分というか、人間ならではの弱み、ゆえに愛おしみに最後まで欠けたキャラ設定でありました。
 
帰ってきて自ら報告に行ったオスカル様をジャルパパがビンタします。ああ、この部屋で殴られなれているオスカル様がおいたわしい。
ジャルパパだって、他の5人の姉君には決して手をあげなかったでしょうに。。。
オスカル様が「息子」として一手に担ってきた宿命の重さを考えると、アンドレでなくても可哀想で可哀想で、駆け寄って抱きしめてあげたくなります。
「メインテーマ変奏B・せつないバージョン」(注>勝手に名付けております)の流れる中、オスカルは自分の見てきた農民の貧しさを父に語りますが、そんな暇あったら剣の腕でも磨けと言われてしまいます。じゃがいも=馬鈴薯、というのもなかなかオツな表現ですが、外国の日本語学習者にとっては難関でしょう。(これはベルばら、またはアニばらで日本語を学ぼうとしている多くの外国人学習者のいることを暗黙の前提としています。)英語ではpotato、フランス語ではpomme de terre (大地のりんご)ですね。
「貴族がなんだ!侯爵家がなんだ!」拳を握り締め、怒りをどこへ向けていいかわからずにいるオスカル、10日間一緒だったアンドレには、彼女の気持ちが痛いほどわかります。
 
ベルばら名台詞。パリでポリニャック夫人の馬車が、ロザリーの母を轢き殺します。あとから考えれば、馬車の前になぜ母君が飛び出していったか、理由はちゃんと分かるのですがーーーー。
原作と違って馬車を追いかけるのは・・・これは初出場になるのでしょうか、記者ベルナール・シャトレです。彼は実在の人物ではありませんが、モデルはいたそうです。
ベルナールと同業者たる私ごとで恐縮ですが、興味深いのは、18世紀のフランスの新聞事情です。ビクトル・ユーゴーは新聞がなければフランス革命は起こらなかった、という有名な一言を残しています。
17世紀、18世紀のジャーナリズムとは、市民たちの思想、表現の自由の手段でした。つまり民主主義の大きな力だったわけです。
調べたのですが、18世紀当時はフランスは「ガゼット」という週刊新聞が力を持っていたようです。日本の新聞発祥事情はご存知、庶民の「かわら版」的な、覗き見的な側面もあったわけですし、ここでは話がそれるので深く追求しませんが、米国流のご本家ジャーナリズムとも趣を異にするのが、ヨーロッパジャーナリズムの面白い点です。
 
墓前でのシーン、原作ではベルナールの胸でロザリーが大泣きし、そのことをベルナールもなん十年たった後(黒い騎士事件)でも忘れられずにいる、という伏線がはってあります。ところあ、アニメ版のロザリーはもし声優をやるなら非常にやりがいのある役。彼女は今後もですが、オスカル様love、泣き虫少女ではなく、一人の、自立した女性として描かれる。このあたりの違いもアニメの見所でしょう。
フランス語版吹き替えのロザリーは、な、なんとオスカルよりもアンドレよりも低くてぶっとい声なので、それもそれでちょっとやりすぎ感がありますが・・・(笑)春風どころか暴風ロザリーという感じです。
 
ひとりベルサイユへあるいていくところの足元が見えません。裸足だったんでしょうか??
翌朝、ロザリーから事情を聞いて、むりやりロザリーの手を掴んで引っ張っていくオスカル。
「いいから来るんだ!!」ですよ。原作は確か「きてごらん」(?だったかな?)、、、って感じで優しかった。両者合意の上であるいていますが、アニメでは明らかにロザリーはどこへ連れて行かれるかわからない不安に、びっくり&抵抗しています。
強い口調でずんずん進むアニメオスカル様のほうが彼女らしさが出ていて、私は好きです。
 
「さあ、みてごらん」まではそのノリで強い口調のオスカル様。しかしその後は、ほんの1ミリだけトーンを落として、
「いいかい?ベルサイユは・・・」と、淡々と説明するんです。
そう、この時のオスカル様の口調、まるで説明文を読み上げるかのように、異様にクールで、淡々と棒読み調なんです。
そこが返って田島オスカルでよかった、と思うところかなぁ。だから、これからこの孤児になってしまったロザリーを引き取ってやろう(せめて時間稼ぎをしてやろう)という本音の部分を自分より幼い者、守ってやるべき者に対して決意した感じが、ひたひたと伝わってくるのです。
以前にもパリで会っている少女。こんな形で再会するとは思ってもみていなかったオスカル様でしょうが、
ここのところ、民集の貧しい暮らしと、自分たち貴族のあり方とに多いなる疑問を感じ始めているオスカル様でもあります。
せめて、せめて、神がなんらかの理由で自分の元へつかわしたのであろうこの少女との縁を大切にし、
できる限りのことをしてやろうと思ったのが、オスカル様の本音ではないのかと思います。
ここでは「メインテーマ変奏c・フルートバージョン」がバックに流れます。
そっとロザリーの肩に手を置くオスカル様。
「つづく」の文字が入ります。