Chose de parler de la danse ダンスについて語ること

Autoportrait de l'auteur en danse :パリ、ダンス、言葉の敷石を踏みしめて

アニばら第10話美しい悪魔ジャンヌ La belle et démoniaque Jeanne

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英語版タイトルは「A beautiful devil Jeanne」です。なんのひねりもありません。
 
今回はオスカル様の出番は僅か。主役はまさに、「小悪魔ジャンヌ」。悪の火蓋が切って落とされ、
また、一方で貧しい生活を続ける庶民の代弁者としての妹ロザリーのお話です。
 
まずつかみはランス大聖堂の国王ルイ16世戴冠式から。
アントワネット、お勉強も活字も嫌いだったのでしょうが、一応歴史の教科書のビジュアル的なものは記憶にとどめていたようです。
注目すべきは、ルイ・ル・グラン学院の代表として祝辞を読んだロベスピエール・・・ああっ、史実の人だーーと思うと、
もうアニメがアニメでなく、歴史大河ドラマに触れてしまったような、わけもないドキドキ感にかられてしまう私はオタクでしょうか。
・・・これは絵空事ではなかったんだ、こっ、ここに歴史の真実が・・・と思うと、胸が震え、いてもたってもいられなくなる。
 
ランスの大聖堂のゴシック様式の建物も、描くのは大変だったと思われますが、細部まで一応手抜かりなく書かれ、思わず観察しちゃいます。
 
ロザリー、またもパンを抱えてぼけっと歩いているから、馬車に跳ね飛ばされること2回目。ほとんど彼女の趣味のようなものでしょうか。
(前回はちなみにフェルゼンの馬車でした)
でも中にジャンヌの顔を見て、馬車の後を追いかける、という設定はよくできていると思います。
原作ではなんで突然ロザリーがジャンヌの家を割り出したのか、わからなかったんです。そういう流れなら、納得できます。
 
せっかく訪ねてきたジャンヌの前で流した涙は嘘じゃないと思う・・・でもその後のあまりにむごすぎる仕打ちと言ったら。
ロザリーの言うように「人の心を忘れかけている」、どころか、上り詰めるためなら魂を悪魔にでも売り渡しなんでもやるジャンヌの本性が発揮されております。
愛人ニコラスを使い、自分をここまで育ててくれたブーレンビリア公爵夫人の始末に取り掛かります。
 
あしたから、もうひとかけらのパンを買うお金もないジャンヌ。って私と一緒じゃないですか。
16分、ようやくオスカル様馬車で通りかかります。
自分を買ってくれと言う町の小娘を前に、オスカル様、「こいつぁ傑作だ」と大笑い。
私は女だ、たとえただでもお前を買うことはできない、などといいつつも、馬車から降り、「娘、名はなんという」と聞きます。
泣き崩れる相手の前にひざまづいて、なぜこんな馬鹿な真似をしたのかと聞き、「ロザリー、少ないがこれを取っておけ」
とちゃんと相手の名前を呼んで、1リーブル金貨を優しく握らせるのです。
当時の1リーブル、今の感覚でいえば一万円ちょっとだと思います。かあさんと二人、しばらく食べていけるだけのお金だったはずです。
オスカルは自分の名も告げないままその場を立ち去りますが、馬車の中でのご心痛やいかに。
そう、まだこの時点では彼女は「馬車の中の人」ですが、先だっても元娼婦から上り詰めてきたデュバリーの最後を見送ったばかりではありませんか。ロザリーのような小娘が震えながら体を買ってくれなどという・・・一体庶民の暮らしはどうなっているんだ、と静かに目を伏せるオスカル、向かいに座るアンドレはそんな彼女の表情から痛いほど彼女の気持ちがわかるだけに、きっと何も言葉をかけなかったでしょう。
 
ブーレンビリア公爵夫人を予定通り手にかけたジャンヌとニコラス。
教会でのローアン大司教とジャンヌのツーショットを、オスカル&アンドレは微妙な面持ちで遠巻きに眺めています。
何か嫌な予感がする組み合わせーーーオスカルの勘は、まだまだ、青い炎のごとく燃え盛る、陰謀と戦いの始まりに過ぎなかったのです。