Chose de parler de la danse ダンスについて語ること

Autoportrait de l'auteur en danse :パリ、ダンス、言葉の敷石を踏みしめて

アニばら第6話 絹のドレスとボロ服 Robes de soie et haillons

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英語版タイトルは「A silk dress and rugged dress」。わざわざdressを繰り返さなくても、と思いますが。

 
オルレアン公&ドゲメネ公爵の悪役コンビがイントロを引っ張ります。2分でようやくop。
ドゲメネってその名前からして悪そうな響きです。
 
今回のお話はお輿入れ3年目にしてようやくかなったアントワネットのパリ初訪問とそれにかかる爆竹事件、
またこの後、物語前期の主役の座をあわよくばオスカル様から引き下ろそうとまでする迫真の悪役演技女優その2、ジャンヌ、そして春風ロザリーちゃんの初登場です。
 
オスカルのまともな進言もちっとも耳にはいらず、4分48秒にして「私のパリ❤︎」を3回も繰り返すマドモワゼル・アホ=アントワネット。
あんたのパリじゃないよ、っつーの。
画面いっぱいに薔薇が描かれなかっただけでも、よしとしてやりましょう・・・。
 
「とても17には見えない、まるで子供だ」「それは私へのお世辞のつもりか?」
この受け答え、うまいことよいしょされた時のクールなかわし方もぜひ「オスカル様語録」として記憶にとどめ、
日常生活で浮かれることなく、活用したいものであります。
「アントワネット様のもっておられる子供のままの心がすきだ」
すきなものをすきだ、と言ってしまえるその素直なオスカル様の御心こそが美しいのですが・・・。
この後のアンドレ「しかし誰でもという見方は、どうかな」という口調がいいですね。
この頃になってくると、オスカル&アンドレの声のやり取りは、田島&志垣以外に考えられなくなってくるものです。
最初田島令子さんの声を聞いた時は、ちょっと高めすぎ、女っぽさすぎる、と思ったのですが、だんだん違和感がなくなり、
最後には田島さん以外のオスカルなんて考えられなくなってしまいます。そしてそれにぴったりと合う志垣さんのアンドレも、どこか甘く包み込むような響きがありますよね。
これが仏語版アニメだと、かなり悲惨なことになっています。オスカルが必要以上に低い声なので、さらにアンドレの声も低く、この微妙な「声のトーンでわかりすぎるほどわかる二人の関係性」というものが、センシティブルに感じられない。全くの別人格になってしまっています。
田島オスカルの、あの、冷静で、淡々として、いついかなる時でも凛とした声の感じが、フランス語版の吹き替えではまったく見られません。
怒る時は普通に怒鳴ってるし・・・。誰だよフランス語は世界一美しい言語だなんて自慢している奴は。
日本語の「間」というもの、ちょっとしたニュアンス、もう声だけで萌えられる田島オスカル&志垣アンドレに出会えただけで・・・日本人として「生まれてきてよかった・・・」と思います。(アンドレのセリフを早々にパクるのは今後差し控えましょう)
 
酒蔵(カーブと言いましょう)での悪役二人組の作戦会議。短剣を突き刺すのは、ワイン樽以外の何かいいものがなかったんでしょうか?
そちも悪よのう・・・
 
7分からのパリの様子は、上空から見たシテ島の様子、ノートルダムの鐘が描かれており、なかなかのスケッチぶりです。しかし雲立ち込める空模様が、なんだか不穏な成り行きを思わせます。秋以降のパリって、だいたいいつもこんな感じなんですよね。青空なんて滅多にお目にかかれない。
 
オスカル、ジェロ、アンドレの3人組がパリ市内の下見です。あの辺が11区です、というジェロ様、なかなかオスカル隊長の右腕として活躍されている様子。喜ばしい限りです。まだ複雑な関係になる前の、この同僚的立場の3人組が見られるのも今回の貴重なシーンの一つでございます。
11区は下町だから関係ない、というオスカル。今の11区といえばテロ事件ですっかり有名になってしまいましたが、
レピュブリック周辺、現在はボボ(ブルジョワボヘミアン)の生息地域であり、おしゃれなファッション・トレンド地区となっています。
 
ベルサイユから西へ20キロ、というのがパリの位置です。のちにパリからベルサイユへ、アンドレが一晩かけて酔いつぶれたオスカル様を抱いて「朝まで歩くぞ・・・」と言ったあの道のりです。軽くハーフマラソンの距離がありますね。またロザリーちゃんもこの間を裸足で歩いてくるのでしたっけ。
 
大きな夕日のシーンがほんの一瞬、映ります。アニメ制作陣、なかなかやってくれます。
 
これまで宮廷モードで進んできたお話ですが、ここへきて、初めてパリの民衆の様子が描かれます。
ジャンヌ、長いセリフの後でかあさんにひっぱたかれます。
 
12分、今日はご苦労、とのことで?オスカル、アンドレ、ジェロの3人組が居酒屋で一杯やっています。17歳にして、たしなんでいらっしゃるのは赤ワイン。庶民の口にする安いテーブルワインなどではなく、あくまで貴族様、そのお店にある中で最も最高級のグラスワインをご注文なされたに違いありません。
 
さて別の席でドゲメネと密談をしている単発ゲスト(友情出演)の元近衛隊、シャルルという男。ジェロ様によると、どうやら博打で身を持ち崩し、隊をクビになったのだとか。・・・と言っている時、12分44秒で一時停止してみますと、じっと不審者を見つめるオスカル様を、隣にいるアンドレの瞳は見つめていますね。
いやーな予感とは裏腹に、大変絵になる、まだ初々しい3人組 in parisでございます。
 
雲ひとつない晴れ空のもと、ついに王太子夫妻が初パリ。
ジェロ様はすかさず、仕入れた情報をオスカル隊長に伝えます。
 
アンドレの単独行動で、そのシャルルという男、どうやら爆竹を仕掛けることを事前に掴みます。
ジェロ、アンドレ、それぞれにオスカル様に貢献しているではありませんか!素晴らしい助さん、格さんです。
 
17分、爆竹男を発見したオスカル様、間一髪のところで取り押さえ、モノをセーヌ河(と思いたい)に蹴りこみ、セーフ。
安心する暇もなく、逃げる男を追いかけます。
18分、いつもの「戦いの音楽」(と勝手に呼んでいる)と共に、オスカル様アクション場面、思いっきり視聴者サービスです。
繰り返しますが、やはりアニメは音楽があり、スピード・臨場感があり、また登場人物が話し、泣き、笑うという点で、
かなりの強いインパクトを与えてくれます。
 
「恥を知れ!!」ーーーいつか言ってみたいフレーズ語録、即登録ではありますが、
実生活では、そのようなチャンスはそう上手い具合に転がっているわけではございません。
 
一方、まんまと貴族のお人好し夫人に引き取られるジャンヌ。幕はまだ開いたばかりです。
ぼけっと歩いているロザリー、おおっとまさかのハンス・アクセル・フォン・フェルゼンとすれ違います。
 
オスカル、アントワネット、フェルゼンの運命的な出会いも間近であったーーーというナレーションで終わるのですが、
私、個人的にはどうも、この3人が「ベルばら」の主人公だとする説に、違和感を覚えるんですよね。
アントワネットとフェルゼンなんて、私には理解しがたいカップルですし、お互いどこに惹かれたのかもよくわからない。
それをなんでオスカル様と対等に扱うねん!という怒りにも似た思いがあるのですが・・・まあ、そもそもベルばらって、アントワネット主人公説もあり、(そもそも作者はそうするつもりだったようですね)
そーでなきゃならないんでしょうね。
なんだよ、アンドレはあんだけ頑張ったのにこの漫画の対面的にはのけものかよ、というひっじょーに理不尽な気持ちもこの3人が語られるたび、頭のどこかをかすめてしまうんです。
 
ではその運命的な出会いとやらを、次回お楽しみに。