Chose de parler de la danse ダンスについて語ること

Autoportrait de l'auteur en danse :パリ、ダンス、言葉の敷石を踏みしめて

St Valentine パリの恋人たち --今日のダンスレッスン雑感2月14日

 今日はフランス語風に発音すると、サン・バランタン。バレンタインデー・驚いたことに、・女性から男性へ・チョコを限定として・愛の告白の機会として --贈る習慣は日本だけの模様。だって欧米では男性が女性に、チョコに限らず花束、ケーキ、ガトー、(お菓子)、ワインなんかまっで贈っちゃうのよ。レストランはもちろん予約。女性は何にもしなくていいの。世界的に見ても、先に女性のほうから男性へ贈り物しなきゃいけない、勇気を持って告白しなきゃいけないなんて、なんだかなぁって感じだし、もちろんホワイトデーみたいなモンも一ヵ月後にありゃしない。完全に日本は商業主義にのっけられた感じ出し、特にアメリカは「アンチ・バレンタイン」の風習がここ数年でかなり強まっているのだそうだ。 

 まったくどこ吹く風と思って気軽にシャワー浴びてスタジオ行ったら、フロア中赤いハートの風船で埋め尽くされていた。うううっ、やっぱりこうした商業施設はイベント大事なのねえ。それより4月のエイプリルフールのほうが、よっぽどパリの街は「チョコレートの魚のお菓子」(ポワソン・ダブリル)が泳いでいて、チョコづいてた気がする。

 さてさて肝心のダンスレッスン。今日は振り付け第2週。なんとシャワーあびて身体あっためてから行こうとしてぎりぎりになっちゃったもんだから、ストレッチする時間がなくて、いきなりの振り付け。ううっつ、今も太ももの裏がビキビキつってるんだけど。痛い。やばい。クールダウンを念入りに行ったけど後の祭りじゃ。来週はもっと早く行ってストレッチしないとーーーくそーー。

 うん、振りは完全に頭に入ってた。教師に聞かれても全部答えることが出来たし、最初の一回目からマーキングじゃなくてちゃんと表情や音、歌詞、全部とりながらすっと入っていくことが出来た。だから今日は結構振り付けも進んだ。なかなか上手な新顔の男の子が来ていて、振り覚えが結構早かったな。教師とは面識があったみたいだけれど。昔の生徒さんかも知れない。

 教師もなんか今日は私のほうが圧倒したっぽい。いつもは親衛隊のほうばっかり行っちゃうのに、今日は私を信じて、中央に居てくれたし、近くに来てくれることもあった。何より教師がおちゃらけたりしないで、すごく真面目にクラスをやってくれたからよかった。こっちの気迫は伝わるんだと思う。あんたが言ったんじゃん、あと3ヶ月しかないから、じぶんは出来る全てをやるって。だから私たち、いつもにも増して、応えようと頑張ってるんじゃん。いい空気が出来ますように。みんなが満足して踊れますように。今日が、何気なく過ごしている「いつもと同じ時間」が、かけがえのない素敵な思い出の一ページとなりますように。

 うわっ。最後のビデオ収録のときに限って、失敗してしまった。今日の新しく加えた振り付け部分で堂々遅れてしまったのがガッツり写っているかも知れない。まあ明日になったらその動画、送られてきちゃうわけだけど。 

 早く覚えることを課題にしたけれど、最後の最後、一回勝負のときに間違えちゃダメなんだよ。舞台は一回なんだから。それまでは出来ていました、でも舞台に上がったときにはうまく行かなかったんです、じゃダメなんだよ。ああ・・・体力が続かなかったわけでも疲れていたわけでもないのに、どうして最後の最後、肝心な一回で失敗しちゃったんだろ。今週一週間は毎日、毎朝、毎晩、何百回とそのビデオを繰り返し目に焼き付けつつ、自分の情けなさを反省するしかないな。本番に強くなるってのも舞台人としての一つの才能であり、意識して磨かなくてはならない能力の一つなんである。

 口内炎がつぶれてやっと治りかけてきている。あともう一息だ。まだ歌詞を口ずさむと口内炎が出来ている舌の先っぽが歯に触れて痛い。来週は、気持ちも、身体も、限りなく完璧に近い状態にレッスンの日をもっていこう。そういう自己管理(いつ自分のベストを持っていくか、いつ休養モードにするか)も、とても大事なことだ。一年間地道に毎朝走ってきて、いざフルマラソンの当日になったら走れませんでした、じゃ、やっぱり悔しいでしょう?

 今日は一日、雨が降ったりやんだりしていた。パリでは春も夏も秋も冬も、雨が一日ずうっと降り続けるってことは結構珍しくて、10分とか20分置きに、気まぐれに降ったりすぐやんだり。誰かさんのこころみたい。それがパリ。レッスンの帰り、メトロの最寄り駅を出てトラムに乗り換える交差点が時々きゅうっと切なくなる。カフェが並んでいて、そのガラス戸の向こうには、土曜の19時過ぎ、沢山の人々が、カップルが、老若男女問わず、笑いあっている。皆、微笑を浮かべている。談笑している。カフェって、そういう空間。フランスのカフェ文化。それはNYにはないものだ。一度でいい、私もあのガラス戸の向こうに行ってみたい。誰かと珈琲飲んで話してみたいよ。一度でいいから。

 2ユーロの安い白ワインを買ってきた。LICHETTEというフランス産。自分に乾杯。ダンスの後って、酔いが回りそう。程ほどにね。明日も早いから寝てしまおう。

 いい夢を見ながら。