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Chose de parler de la danse ダンスについて語ること

Autoportrait de l'auteur en danse :パリ、ダンス、言葉の敷石を踏みしめて

今朝の星

冬時間になったが、体内時計が戻っていないのかいつもより一時間はやく目覚めている。毛布をかぶったままそろそろとまだ真っ暗な窓の外を眺めると、天上に一つの明るい星。ここは飛行機の通り道だから、最初はそう思った。でもそれは動かずに強い光を瞬かせていた。星。ああ、パリの空に星が見えるのだ、よく目を凝らしてみると、空のここそこに幾つかの光が確かにきらめいていた。パリの空の上に、星が。1年5カ月いて、初めて見たかも知れない。ヨーロッパで冬のオリオン座は見えるのだろうか。

 半年のダンスを終えて心境の変化か。先生の言っていることを理解したい、こちらの思いも伝えたい。黙ってたらいないのと一緒だから。ダンスだからダンスだけできれば上等、というのではなく、ウイとノンしか言えないのではなく。

 ダンスであっても、言葉を通じて教え理解し合うところは大きく、ちょっとしたporse(休憩)やレビゼ(復習)の段階で、できるレベルの仲間とまともに意見を交わすことができなければ、せっかくの自分のもうひとつの能力を、語学面で貶めてしまうことになる。今必死にならないと、事態をただ同じ状態で長引かせるだけで。永遠に彼らの仲間にはなれない。

 英国に(あるいはその先のNYに)移る準備をするべきか、それともあとせめて一年、フランスに留まるべきかの選択をしなければならない。どっちにしても、見ていない景色があり、どっちにしても地獄に変わりない。

 一つ言えるのは、2年前の今頃は、まさか自分がフランスで踊っているだなんて思いもしなかったってこと。それなしではどうもうまく生きていけそうにないこと。

 踊りは自分にとってなくてはならない存在意義にまでなっていて、もう好きだからとかそういうことじゃなく、なければ生きてゆけない処方箋のようなもの。長いこと、そんな自分の気持ちを押し殺してきた。国を出たのは、同じことを繰り返すためじゃない。生身のフランスに触れて、血を流し「私」を取り戻すのにやむを得ない決断だった。 今朝のひときわ輝く星に、こころの中で話しかけていた。