Chose de parler de la danse ダンスについて語ること

Autoportrait de l'auteur en danse :パリ、ダンス、言葉の敷石を踏みしめて

吉田都さんのスーパーバレエレッスンから 指導法を学ぶ 第3回「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」第2幕マイム

第3回は、前回と同じ演目、フランスの田舎を舞台にしたドタバタ喜劇のバレエから、第2幕のマイム、演技の指導です。

マイムとは、セリフの部分を表現するバレエ特有の仕草のこと。

リーズが恋人との結婚生活を思い描く場面でマイムが使用され、演劇の国英国、またアシュトンの「ロイヤルバレエ」ならではの要素がたっぷりと盛り込まれています。

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1)例えば白鳥やくるみだと技術で見せる、でもこの作品はもっと自然に「演じ」なくてはいけない。「舞台上で」「自然に」とはどういうことか。

ーー生徒は前回と同じく坂本春香さんです。

・上を向きすぎない。ここは長くて立っているだけだけれど、ただ下を向いているだけではなくて、何を考えているのか。徐々に目線を上に上げていく。目線は二階席ぐらいまでで止めて、そこで考えてるなっているのを。

・音楽を聞いて何かこう思いついた感じで呼吸が入る。手を胸の中心に「わたしは。結婚します」

・徐々に、いろいろ頭の中を考えているのがわかるように。

・指輪のところ。結婚も、お客さんに見える感じ。こういう風に指輪をつける感じ。考えながらドレスを「着る」、感じ、ふわふわの、綺麗なドレスがみえるように。

・ぴったりしたところから、こういうふわっとしたドレスだから、ここは手を使わない。

・ベールのところ、肘をはる、お花をもらって、もっと低いほうがいい、あまり顔の近くよりは。で、はっと気がついて。

・手がもっと後ろから、回転して。横に立っている感じで、いないけれども、彼がいるように意識して。

ーーーーーー

(吉田さんインタビュー)

普段の生活で、悲しいときはどういう表情をするんだろうとか、いろいろ他の人をみて研究していた。イギリス人は控えめとは言え、ジェスチャーは大きいわけですよ。だからそういうのをみて自然と学んでいったり。イギリス人の日常生活の中からヒントを得た。

ーーーーーー

・花束持って、彼がいて、はあ、なんかこんなこと考えてーーーって言うのを表現したりする。ああ、妊娠するかもってのを考えて考えて考えてひとり?ふたり?ううん、さんにん?とかね。

・足叩くところ早い。勉強みてあげるところ、子供の顔よりも。

・ここもね、次、赤ちゃんに行く前になぜかわからないけど言われるのが、「はあーーー」って(呼吸)大げさなぐらい、やるというのが毎回言われる。ここね、キスしてもいいし。あやす。

2)・そうタイミングぴったり。すごく良くなったけれど、歩くところが急にバレエっぽくなってしまう、歩く前に「はっ」(呼吸)っていうのを。

・追いかけるところだ、本置いて、こういうバレエになってるから(笑)、今だとバレエになってしまっているからもっと普段の生活みたいに。

・しーってやってから、って赤ちゃん起こさないようにーー

・すごくよくなったけれど、振りが体に入っていない。でも自分の中でストーリを頭で考えながら。バレエっぽくならないように、自然に。クラシックの、古典のマイムもあるけれども、これはストーリーテラー、彼女が想像していることを体で表選する。

ーーーーーーー

ピーターライトさんのインタビュー

・英国ロイヤルのバレエスタイルは、フレデリック・アシュトンと彼の振り付けに始まったと言えます。(フレデリック・アシュトンーー1963年から70年の初代監督)

それまではチェケッティ系をベースにしたトレーニング、腕やラインなど全て厳密だったが、それを打ち破ったのが彼で、流れるような、重さを感じないものにしたのです。それが英国スタイルの始まりだったと思います。

ミヤコ他の英国人ダンサーよりも上手に英国スタイルで踊ります。

アシュトンは彼女を大変ひいきにしていました。それで彼の名作、ラ・フイーユ・マルガルデに主演したのです。

吉田都さんのスーパーバレエレッスンから 指導法を学ぶ 第2回「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」

第2回「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」はリーズの結婚とも訳され、まさに英国ロイヤルならではの、コメディ感溢れる楽しいバレエです。

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以下指導動画を3回にわけてどうぞ。

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《ストーリー》農園の娘、リーズは、母親によって金持ちのアランとの結婚を仕組まれていますが、リーズには実はコーラスという恋人がいます。母親は二人が会えないようにリーズに仕事を言いつけ、部屋に閉じ込めてしまいます。それでもコーラスはリーズに会いに来て、二人はめでたく結ばれます。

1)・「体力的には大変だけれど、本当に楽しい、語りと演技が一緒になったようなバレエ」(吉田さん)

・アシュトンの作品はほとんどそうだが、上半身の使い方を非常にうるさく言われる。ジャンプの多いソロだが、下半身が強くないと、上体を使うことによって、ぶれてしまう。大変には見えないが細かい足さばき、独特の体の使い方。これが体に入ってくると楽しめるようになるが、最初は戸惑うし、(そこに到達するまでに)すごく時間がかかる。

ーーー生徒は坂本春香さんです。

・最初のポーズね、これ、彼がキスしていたのね、だから下っていうよりも彼のほうを見る。で次のポーズは、右から。(強調する)アシュトンのは全部がこう、クロスクロス。全部がクロス。だから次のジュッテ、すごくうるさく言われるのが、やりづらいんだけど、こっち(右から)からジャンプ。もう体がやれないぐらい、こっちから。

・それだと後ろを向きすぎてしまっている。やっぱりお客さんに顔が見えないとダメ。

・閉じるのはもっと早いほうがいい。普段のお稽古とは違う。

・ランベルセなんだけど、ストゥニュに入るのね。ストゥニュは、足を一つにするのも大事だけど体を一つにして、軸を絞らないと回転の時にぶれる。そのシャープさが一番大切。そのあとのアチチュードに続くストゥニュなので、ここは体をシャープにして、くっと一つにまわる。繰り返し、繰り返し嫌になる程、自分の体に教え込んで、自分の体をコントロールできるようになると、楽しく、もっと軽く、もっと動きが大きくなる。でもそこに至るまでが時間がかかる。

・もっとアラベスク長く。正面をもっと長く。クロス。クロス。アシュトンの「クロス」肩使って。

2)・ストゥニュひとつ、もっと早く、音使って。必ずとまるところがあるから、そこで「ふっ」とアクセント。もっとストゥニュをシャープに。

・プリエしっかりして、上がった時に引き上げて。

・もいっかいストゥニュから。もっと上半身ねじれる。5番がゆるい。

・もっと「ひゅっ」というアクセントが欲しい

・そこで時間かかっちゃうと、アクセントがぶれる。振りに行く前のストュニュが大切なんじゃなくて、そのあとのアチチュードが大切なんだから。

・そうできるだけ立っててね ・もっとボディ使って

・顔は上から。手のほうを見る。音に遅れているよ。

アラベスクはよくなったけどそのあと、これももっと上半身を、でもアクセントつけて。上で。そう、でこれをすっごく言われるのね、こういうの(手首まわす)ためて。

・そう、今のすごくよかったわ。で、そのあとセンターにもどるでしょ、もっとこれ(上半身ねじる)アシュトンのうるさくいわれるステップのひとつなんだけど。

・普通のクラシックの使い方と、アシュトン、違うから。とにかく、上半身、クロスしっかり、と、言われるから。

・手のほう(パンシェ)、肩。そうじゃない、肩を下げるのではなくて、ただねじる(平行に)

・彼にキスしたあと、もっと顔をお客さんに、彼にでもいいし、顔を残して。

 今だと、すぐ自分の次のステップに行こうとしている。

3)・音楽に遅れない。音楽と一緒。手のほうに(視線)

・手が途中で終わっちゃうから、ちゃんと終えて、終えて、終えて。

・ちょっとコーディネーション強い ・左手のほうをみて・遅れない、バランス

・もっと前に。どうもこのプリエのところ、たぶんワキが入ってない、逃げてる感じ。

・脇を斜め前に。横なんだけれど、肩をぐっと前に押す感じ。大げさなぐらいやっていい。最後のポーズは手のほう。

・アチチュード、全部、「ぴたっ」っていうのが見えるといい。

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・吉田さんにとっての特別な思い出

サドダーズウエルズ(劇場)で観た初めてのバレエ。今まで知っているバレエと違った。楽しくてわかりやすい作品で何回も通った。留学生活で落ち込んでいって、オペラハウスでレスリーコリア(当時ロイヤルバレエのプリンシパルだった)を観たとき、涙が止まらなかった。楽しくて嬉しくて、バレエって素晴らしいなって思った。

レスリーが素晴らしかったんですよ、体にステップが入っていて、本当にセリフを言うように観ていてセリフが聞こえるような舞台だった。それで・・・大号泣。

自分で踊っていてもほんとに楽しい作品。体力的には、いつも弾んでジャンプも多い作品なのできついですが、お母さんとのやりとりなど、踊っているのと演じているのとが一体となったような作品ですね。

【kotorioからのひとこと】

第一回より少し上のレベルの生徒さんかと思いましたが、技術的にはフラフラして危なっかしい感じ。生徒役は国内バレエ団のせめてソリスト級に依頼できなかったものでしょうか・・・。

夏休み特集・吉田都さんのスーパーバレエレッスンから 指導法を学ぶ 第1回「ジゼル」

皆様こんにちわ、kotorioです。暑い夏ですが、楽しんでいらっしゃいますか。

今回から全13回、このブログでは吉田都さんの「夏休み特集」開催します!

2009年放映の吉田都さんのスーパーバレエレッスン」。

今、改めてバリエーションの「指導」の側の立場からこれを見ると、若い才能をどうやって引き伸ばしたらいいか、ヒントが得られる場面も多いです。

ご覧になっていない方もいらっしゃると思います。アーカイブとしてまとめました。

「ロイヤル・バレエの精華 吉田都」2009年8月 - 11月
レッスン内容
1  「ジゼル」第1幕からバリエーション
2  「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」第1幕からバリエーション
3  「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」第2幕からマイム
4  「シンデレラ」第1幕からバリエーション
5  「眠りの森の美女」第3幕からバリエーション
6  「ドン・キホーテ」第3幕からバリエーション
7  「コッペリア」第1幕からバリエーション
8、9 「くるみ割り人形」第2幕 パ・ド・ドゥからアダージョ
10 「ロメオとジュリエット」第1幕 ジュリエットの部屋
11、12、13 「ロメオとジュリエット」第1幕 バルコニーのパ・ド・ドゥ
14   総集編

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今日は第一回のジゼルの動画を分析します。

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・必ず息を吸ってから。呼吸と一緒にするとかなり違うから。

・もっと上体使える

・上。上がった後に「ふっ」いうのが見える、ポーズを取ろうとするのではなくて。

・広い空間を感じる。「彼」がいるのを感じる。ジゼルの「踊れる嬉しさ」を感じる。

・ワクワクした感じ。音が沈んでいるけれど、その中でいかに嬉しさ、役柄をだすか。

・セリフでいったら棒読みになっているので、アクセント、どこかにつけて。

・自分で音楽聞いて、それを自分で遊ぶような、歌うような。

・「今生きている」というのがここででないと、後半の悲劇とのコントラストに繋がらない。

【kotorioからのひとこと】

生徒役の子があまりに幼すぎるように感じました。ルグリのレッスンと比較するわけでも、「だから日本人は・・・」というのでもないです。

ワガノワ流に、がしがし「プロで生きていけるだけのメンタル」から鍛えていくことも必要なのかも。

元英国プリンシパル・吉田都さん、50歳を過ぎても美しくいる秘訣

「辞めなくてはならないような腰、膝、身体の状態からも本当に変わることができた。人間の身体ってすごいなと思うのは鍛えれば鍛えるほど強くなるんですよ、若い時より強くなった部分も、多いんですよ。」

インタビューで語っていた吉田さん。

若くて、疲れを知らなかった頃に戻りたいとは思わない、ああいう踊りをしたいとは思わない、とも。つまり、年齢を重ねれば重ねるだけ、強くなれるんだと。

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8年前、ロイヤルバレエを引退して現在は日本にお住いの吉田都さん。
バレエレッスンは52歳の今も、毎日、欠かさないそうです。

1965年生まれ、ということは、この秋には53歳に。それでも、お稽古1日休むと体が辛くて痛いそうなんです。

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ユネスコ平和芸術家」「国連難民親善アーティスト」など、

22年過ごした英国仕込みともいえる奉仕活動でも知られています。

2018年は新しく「吉田都プロジェクト」を発動させるようで、楽しみですね。

オフィシャルサイトはこちら

BLOOMING GROUP OFFICIAL WEBSITE | 吉田 都

世界バレエ・フェス 「ドン・キホーテ」 9月30日放映

世界バレエ・フェスティバルが始まりましたね。バレエのオリンピック、
世界中のスターをご覧になっていることと思います。

7月27日、特別プロでパリオペラ座のミリアム・ウルド=ブラムとマチアス・エイマン主演による『ドン・キホーテ』公演があったと思います。ご覧になりましたか?

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二人とも準備のため早くから来日してリハーサルに参加していたようです。

ミリアム・ウルド=ブラムはとても愛らしいので、ドンキはどうだろう、と思うのですが、

ãMyriam Ould-Brahamãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

きっと元気いっぱいの主人公とテクニック、演技力を見せつけてくれた事と思います。

マチアス・エイマンは、パリでも定評があるように、足さばきがパーフェクト。
一寸の狂いも有りません。

ãMathias Heymannãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ3幕のグラン・パ・ド・ドゥの超絶技巧も見ものです。

パリ・オペラ座でも常日頃から組んでいるペアですから、日本でもその相性を披露してくれたのでは、と思っています。

この「ドン・キホーテ」が早くも9月にテレビ放映されるという情報をゲットしました。

世界バレエフェスティバル全幕特別プロ「ドン・キホーテ」|バラエティ・音楽|テレ朝チャンネル

CSテレビ朝日チャンネル2、9月30日(日)午後2:00~4:30

ノーカット放映で、舞台裏映像などおまけ付き。私もみたいよう。

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秋以降の計画としては、

英国ロイヤルバレエ団の「ロイヤルエレガンスの夕べ」、
平野亮一さんが主役を務めた「冬物語」(2018)、
高田茜さん出演、アシュトン・トリプルビル「真夏の夜の夢/シンフォニック・ヴァリエーションズ/マルグリットとアルマン」(2017)

の放映を検討中とのこと。お楽しみに!

パリオペラ座ダンサー紹介 セ・ウン・パクさん 第二回 

パクさんのインタビュー、第二回です。

・演劇的要素の強い作品はオネーギンが初めてですね。

ãSae Eun Parkãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

A:はい。これは2009年に韓国で見て以来、ずっと踊りたいと夢見ていた作品の1つでした。でも私の記憶に強く刻まれている『オネーギン』、それはオーレリー・デュポンエヴァン・マッキーの舞台です。オペラ座の舞台裏で見ていて、もう涙、涙・・・。ショックを受けたとも言えます。イザベル・シャラヴォラとマチュー・ガニオの舞台も素晴らしかった。それで、ずっと夢見ていました。

ãSae Eun Parkãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

私、とても幸運だったのです。リード・アンダーソン(注:シュツットガルト・バレエ団芸術監督)がオーディションために朝のクラスにくると知らされていたので、その朝のことをずっと心待ちしていました。タチアナでなくオルガでもいいので、どうしても『オネーギン』に配役されたかったので。

ところが、彼が来る日の1週間前に怪我をしてしまったんです。

それで、その朝のクラスに参加できず、家ですっかり落ち込んでいました。『ドン・キホーテ』のマドモワゼル・ドヌール役の稽古中に捻挫して、10日間休まなくてはならなくて、とても悲しくって。でも、その朝、アンダーソンに紹介するから来るようにとオペラ座から電話があったのです。すごくうれしくって、駆けつけました。

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彼、私の片頬をちょんと指でつまんで、そして、私の身長を何センチかと尋ねたんです。167cmと答えたら、彼は微笑んで、そして行ってしまいました。奇妙な出会いでした。で、その後『オネーギン』に配役されたんです。

・身長を訪ねたのは、パートナーに関してですか?

ーーーわかりません。私、最初はステファン・ブリヨンと踊ることになっていました。でも彼が怪我をしたので、ユーゴ・マルシャンと組むことになりました。

ユーゴとは2011年にガラで一緒に踊っています。何度か、私が契約ダンサーだった時代です。オペラ座では『オネーギン』では初めてのことでした。彼とは同じ年に入団しているんですよ。素晴らしいパートナーです。

・彼は大柄なので、華奢なあなたを持ち上げるのはとても簡単?

ーーでも、彼、私があまりにも軽すぎるって、イラついてしまったんですよ(笑)。持ち上げてるって感じられなくて(笑)。

私、この作品では最後のパ・ド・ドゥが好きです。感情面がすごく難しいのですけど、舞台上で感じることが大きいので。

3回目と最後の5回目の公演のカーテンコールでは、涙が溢れてしまいました。最初の公演は、全然自分の仕事に満足できなかったんですよ。

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というのも、作品の一部を踊ることばかりが続き、長いことこうした大作を通しで踊る機会がなかったので、2時間半を踊るための身体、頭の中のコントロールが難しくって・・幕が下りたときに、あああ、こうするべきだったということがたくさんありました。その後4回の公演があったのは幸いでした。

(はいはい、私、どちらの回も客席で見ていましたよ。あなたが泣いてるの)

ãSae Eun Parkãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

・2017-18年のシーズンで、最も印象に残った作品は?
ーーオネーギン、そして『ジュエルズ』の"ダイヤモンド"です。初めて踊って、これでブノワ・ダンス賞を受賞しました。過去に大スターばかりがとっていて、いつか受賞できたらとは思っていたけれど、まさかこんなに早くとは!

それで受賞のスピーチのときには、涙があふれてしまいました。

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・今シーズン、その他何を踊りましたか。

ーーー『アゴン』のパ・ド・トロワ、パ・ド・ドゥを踊りました。これは音楽が特殊な作品です。私は作曲家ではチャイコフスキーが好き。だから"ダイヤモンド『オネーギン』が好きなんです。『アゴン』のストラヴィンスキーの曲は理解しにくくて、NYCBからきたリハーサルコーチと何度も繰り返して音楽を聞き、稽古をし・・やっと理解できたんです。私、この作品をまた踊ります。11月にNY で開催されるバランシン・フェスティヴァルに、ユーゴと招かれています。『アゴン』のパ・ド・ドゥ、それから『真夏の夜の夢』のディヴェルティスモンのパ・ド・ドゥを踊ります

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アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルの『Quatuor 4 』は再演でした。
ーーー変わった作品ですね。昨日実はこの作品のことで、母から『Quatuor 4 』のビデオをみたといって電話があったんですよ。フェイスブックで誰かがビデオをあげたらしくって。「これ、なんて難しいバレエなの!身体が痛くならなかった ?」と。

この作品は身体的に難しいだけでなく、覚えるのも難しい複雑なバレエです。ちょっと数学的といえます。 3、2、4、2、1、3、2、1・・というように。

毎回、私カウントしそびれてしまって・・・。公演の舞台上では観客席まで声が聞こえたかもしれませんが、ニンジャとか船といった動きや、左、右、というように次にすることを4人のうち誰かが叫ぶのです。

これ、踊り終わったあとは、本当にもう「ああ、やり終えたわ。フゥー」という感じ。

ãSae Eun Parkãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

・踊ってみたいと思っている作品は。

ーーー『ジゼル』? そうですね。私、クラシックも好きですけど、最近はドラマティックなバレエに興味がよりわいています。

『椿姫』『マノン』『ロメオとジュリエット』『ラ・バヤデール』・・・ニキヤもガムザッティも両方とも好きな役です。過去にはプティパのヴァージョンは踊ったことがあるけれど、ヌレエフ版はまだなので、いつかオペラ座で踊ってみたいです。

『リーズの結婚』も踊りたかったけれど、エトワールが大勢配役されていて、わたしにはチャンスがありませんでした。このバレエのコーダ部分、とっても好きです。

グラン・ジュテがあって、ソーもたくさんあって。ピルエットとかも好き。でも先にも話したように、ドラマティックな作品に今はより興味があります。私もダンサーとして成長をしてるので、こうしたハートで踊る作品に心が惹かれるのです。

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・コンテンポラリー作品については、どう思いますか。

ーーー『バルトーク』だけでなく、『ドラミング・ライヴ』『レイン』などケースマイケルの公演にはいつも配役されていますね。

『ドラミング』は1時間、踊りっぱなしの作品なので、最後まで踊り終えられるかどうかという、身体的なチャレンジ作品です。コンテンポラリー作品は嫌いではないけれど、好みはクラシック・バレエです。

ãSae Eun Parkãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ


・2018〜19年のプログラム中、何を踊ってみたい?

ーーーまだ配役の発表がないので。でも、12月は『シンデレラ』も『椿姫』も踊ってみたい作品。例えば『シンデレラ』の意地悪姉妹のようなコミカルな役はまだ踊ったことがないので、もし配役されたら私にとっては素晴らしい機会となります。

この役に配役されるような気がしています。それも、ハナ(オニール 八菜)と一緒に。もし実現したら、しっかり者でリードするほうがハナで、ボーッとしている方が私でしょう。実際に彼女より私のほうが、ボーッとしていますから。

私たち二人は『アゴン』『ドン・キホーテ』『白鳥の湖』など、一緒に踊ることがとても多いのです。彼女は優しい女性で、とても気が合い仲良しなんです。

ãSae Eun Parkãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

・物静かで大人しい女性という印象を受けますが、友人と一緒のときも?

ーー私が『オネーギン』でタチアナを踊ることになったとき、リード・アンダーソンから言われたんです。「タチアナを演じるのは、君にはさほど難しいと思わないよ。なぜって君もそうだから。控えめで、おとなしくって・・・」って。

確かに、例えば『ドン・キホーテ』でキトリの友達役を踊るとき、意識して陽気でオープンな女性を演じる必要がありました。頭で考えて、準備して。

ハナはもともとオープンな性格なので、こうした役も難しくなかったでしょう。幸いにもシンデレラの意地悪姉妹は異なる2タイプの女性です。もしハナと配役されたらとても楽しめそうです。

ãSae Eun Parkãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

・今年の夏の予定は?
ーーー『Quatuor 4』が私のオペラ座の最後の公演だったので、5月上旬で今シーズンの舞台は終わりました。その後も毎朝のクラスレッスンには出ています。7月末にカザフタンでガラがあり、フランソワ・アリュと『海賊』と『ライモンダ』を踊ります。彼とは2015年の4月9日にオペラ座で『白鳥の湖』を踊っています。

これは、私の初の古典大作での大役で、それ以前の大役はジャン=ギヨーム・バールの『泉』(ラ・スルス)』でした。スジェ時代のこと。

白鳥の湖』はリュドミラ(・パリエロ)が怪我をしてしまったので、私はマチアスと2回踊る機会に恵まれました。

この夏は韓国で、家族と過ごします。

ãSae Eun Parkãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

【kotorioからのひとこと】

パクにしても、オニール八菜にしても、アジア系が「パリオペ」のエトワールに昇格するかどうかで、現在、意見が二分しています。

あるとして、どっちが先か?議論もあるのですが、人気の上ではオニールですが、彼女は派手なだけで技術が伴っていません。そこへ行くと、オネーギンで見せたあの少女から大人の女性としての慟哭までを完璧な演技で見せつけたパクのほうが、実力・テクニック、演技力のすべてにおいて、上回っています。

何より、踊りがフランス人ダンサーよりもフレンチ的に洗練され、エレガントそのもの。

国のことは置いといて、私は個人としてのダンサー・パクさんは応援したいし素直にすごい、感動を与えられた、と思えるダンサーです。エトワールの資格は十分持っているでしょう。そうなれるよう、祈っています。

オペラ座ダンサー紹介 セ・ウン・パクさん 第一回

Sae Eun Park(セ・ウン・パク) プルミエール・ダンスーズ

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2018年度のブノワ・ダンス賞に輝いたプルミエール・ダンスーズのセ・ウン・パクさん。2月の「オネーギン」の演技は、エトワールをしのいで、私にとっては涙が出るほど素晴らしいものでした。

彼女の名前はセ・ウンですが、オペラ座では「サエ」と呼ばれているそうです。

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今、28歳のサエ。パリにきて7年ですが、おっとりとした正確だそうです。涼しい目鼻立ちで、韓国人らしさを感じさせません。

フランス人ダンサーの中に溶け込み、アジアっぽさを感じさせないのは、彼女のフレンチ・スタイルのエレガントな踊りがそうさせているのだと思います。

2012年に正式入団し、2013年からコリフェで、その翌年にはスジェに。2016年からプルミエール・ダンスーズとして活躍中です。あのオニール八菜をしのいで、先にエトワール就任の噂もあるほどです。

実際、私もテクニック等を総合的に判断して、パクの方が上だと思いました。

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・バレエを習い始めたのは10歳

ーーー国立韓国バレエ団の『くるみ割り人形』の舞台を見て、いつか自分も全身輝くような衣装を着て舞台にたちたい ! と。

母はピアノをやっていて、父も長いことクラシック音楽の愛好家なので、小さい頃からクラシック音楽に親しんでいるという環境だったのです。

だから、両親とも私がダンスを習うことには大喜びでした。

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・ソウルでダンスを習い始めて・・・

ーーー国立バレエ・アカデミーで12歳までクラシック・バレエを習い始めました。その後ソウルの国立芸術学校の中等部、15歳で高等部へと上がり、16歳までいました。

2007年のローザンヌ国際バレエコンクールに優勝したおかげで、アメリカン・バレエ・シアター(ABT) II への道が開け、ニューヨークで2年踊ることになりました。

ABT IIと17歳のときに契約してプロを決心しました。ABT IIというのは16〜19歳の若いダンサーで構成され多くのツアーを経験しました。

アメリカだけでなく、コスタリカ、スペイン・・・『ライモンダ』の6カップルのグラン・パや、『ドン・キホーテ』の第三幕のパ・ド・ドゥ、ジェローム・ロビンズの『インタープレー』、バランシンの『アレグロ・ブリヨント』クリエーションもいくつか踊りました。例えば『バルバラ』。これはアジュール・バルトンの創作です。

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・ニューヨークで2年過ごした後韓国に戻りましたね

ーーーABTのケヴィ・マッケンジー監督から、他で経験を少し積んだ後にソリストとして戻ってこい、といわれたのです。

アムステルダムのヘット・ナショナル・バレエ団のオーディションを受けましたが、国立韓国バレエ団の芸術監督から誘いがあり、ホームタウンなので、韓国で踊ることに決めました。

そこで1年を過ごしたところで、海外で自分を試してみたい ! と、ニューヨークでなくパリ行きを決意しました。

ニューヨークでの暮らしは素晴らしい2年間でした。アパートではカンパニーのダンサーがルームメートで、でも2年してニューヨークを去るとき、なぜか満足感がありました。パリの劇場にあるような歴史がABTにはなく、学ぶ歴史がなくって・・・それでNYを去ることに心残りがなかったのだと思います。

ãSae Eun Parkãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

・韓国ではパリ・オペラ座知名度は高い?

ーーーもちろん名前は知られていますけど、この20年、パリ・オペラ座は韓国ツアーを行っていません。だから私がいる間に韓国ツアーがあったら、と夢見ています。

・韓国時代、パリ・オペラ座のダンサーの名前を知っていた?

ーーオーレリー・デュポン !・・ローラン・イレール、イザベル・ゲラン、エリザベット・プラテル、シルヴィ・ギエム。あ、それからマニュエル・ルグリ。

パリ・オペラ座でヨン・ゴル・キムがスジェで踊っていました。彼は引退後、韓国芸術大学で教師になり、彼のクラスに参加をして、私、フレンチ・スタイルが気に入りました。キム先生がオペラ座の外部入団試験について話してくれ、26歳までチャンスがあるもので、私はそのとき21歳でした。

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・国立韓国バレエ団では、すでにソリストとして踊っていたのに、オペラ座でコール・ド・バレエからのスタートになりましたね。

ーーー私にとっては大きなチャレンジでした。でも、ネガティブな気持ちは全然なくて。私が崇拝する偉大なアーチストたちとともに舞台にたてることは、願ってもない夢でしたから。マリ=アニエス・ジロ、マチュー・ガニオ、マチアス・エイマンなど、偉大なダンサーが踊るのを見るのは大好きでした。
オペラ座でゼロから始めることに恐れは全然ありませんでした。彼らの踊りをみて、たくさんのことが学べるのですから。オペラ座の階級システムは知っていて、もし上手くいけば・・・とも思ったし。
コンクールについても、とても厳しいし、大勢の素晴らしいダンサーがいて、とキム先生から聞いていて、だから気持ちの準備もできていました。

ãSae Eun Parkãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

・入団後、すぐにカドリーユからコリフェにあがっていますね。

ーーーオペラ座で最初の1年間は契約団員でした。その後正式団員となって、その三か月後に初参加したコンクールでコリフェに上がったんです。
契約団員の時は、いつも舞台裏で代役として待機する毎日でした。私は踊れるのに、でも踊れない。他のカンパニーにいったほうがいいのでは ? って私にアドヴァイスをする同僚もいました。でも、私にはこの日々は素晴らしく幸せなこと。イザベル・シアラヴォラがおどるのを舞台裏からみていられのだから、ここにい続けなくては、って。私はもちろん踊ることは好きですけど、バレエを見るのも好きなんです。だから、その状況にとって満足していました。それに外部のガラに参加して、舞台に立つこともできていたので。この時期に不満はありません。

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オペラ座内のコーチは?

ーーーヴィヴィアン・デクチュールがコンクールのたびに指導してくれました。他にも指導してくれたのはデルフィーヌ・ムッサン、ジル・イゾワールとも・・・私、ジャン=ギヨーム・バールと仕事をするのも、とても好きです。

『オネーギン』ではクロチルド・バイエがコーチだったのですけど、これは本当に特別な時間でした。幸せでした。

 

★明日、第二回に続きます。