Chose de parler de la danse ダンスについて語ること

Autoportrait de l'auteur en danse :パリ、ダンス、言葉の敷石を踏みしめて

パリダンス留学 グベ・ヨーロピアン・ダンスセンター/Goubé European Dance Center

「フランス最高のダンススクール」としての表彰経験もある、パリの名門私学ダンス学校といえば、17区にあるグベ・ヨーロピアン・ダンスセンター。

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ローザンヌ・バレエ・コンクールでの入賞者はじめ、未来あるダンサーを多く輩出、パリオペラ座や欧州各地のバレエ団に毎年送り込んでいます。

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1969年に、パリ・オペラ座の元ダンサー、ポール・グベさんとロンドンバレエ団のイボンヌ・グベさんらが創立。

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プロ向けのみならず、子供から大人まで、様々なレベルのコースを受講できます。

特に、パリオペラ座のダンサーが講師を務めることでも知られ、良質なダンス教育環境を提供しています。

コースは、

・4−18歳「チルドレンスクール」、

・11ー18歳「ダンススタディ」ーープロダンサーを養成、コンクール対策

・「プロフェッショナル」ーーダンス講師養成、文化省認可ディプロマの取得コース

・初心者から上級者までの「趣味コース」などです。

クラシックバレエはもちろん、ジャズ、モダン、コンテ、ヒップホップまで、ダンサーに必要な幅広い実践を行います。

同時に、音楽史・ダンス史・解剖学など、プロダンサーとして必須の座学も。

多くの卒業生は、各バレエ団の入団試験をパスして、ソリストとしてダンサーの道を歩むか、あるいは国家資格のダンス・バレエ教師としての就職も夢ではありません。

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国立のコンセルヴァトワールの年齢制限に引っかかった、落ちた、

あるいは地方に行くのがどうしても抵抗がある方には、パリでの選択肢の一つ。

ただ、ダンサー、教師養成に限ります、コンテなどの振付の勉強はできないのがウイークポイント。目的が前者2つにハッキリ絞れている方に、オススメします。

European Dance Center Paris

8 Rue Emile Allez, 75017 Paris
01 45 63 40 21

「ダンスか、さもなくば死か?」シリア難民からプロダンサーへ

www.lefigaro.fr

シリア難民である28歳の男性が、オランダ国立バレエでダンサーとして活躍するようになるまでの凄まじい道のりをフィガロ紙がパリにてインタビューに成功しています。

彼の名前はAhmad Joudehさん。難しいので、アハンマド・ジュディさんとカタカナ表記させて下さい。

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シリア人の母とパレスチナ人の父のもと1990年4月に生まれたアハンマドさんは、ダマスカスにあるパレスチナ難民キャンプで育ちました。
インタビューでは、シリア内戦の中「バレエが彼の人生を変えた」その経緯に迫っています。

8歳の時、学校でたまたま見た「バレエ」に感銘を受け、以降、毎日部屋で一人練習したそう。家族にも話せなかったのは、それは女の子のするものだとわかっていたから。

しかしどうしても表現への夢が募り、ついに16歳の時、バレエを一生の仕事にしたい、とバレエ学校の門を叩きます。

ところがーーーそれを知った父が大激怒、アハンマドさんを棒で殴り、ダンスグッズを全て燃やしてしまいます。
母は息子の味方となり、アハンマドさんを励まし続け、ついに離婚。アハンマドさんも兄弟と共に母についていき、働きながら家を支えることに。

2011年、内戦が激しくなり、ついにアハンマドさんの家が破壊されます。
住む場所を失った母と兄弟たちをつれて、彼は知り合いの家の屋根にテントを張らせてもらい、厳しいシリアの冬を凌ぎました。雪の中でも一人踊りつづけました。

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内戦は激化、家族が殺害され生き残ったアハンマドさんらは、首都ダマスカスに戻ることに。そこで、なんと米国で大人気のダンス・オーディションテレビSo You think you can dance」のアラビア・バージョンがやってきたのです。夢のような話です。

ファイナリストに残ったものの「パレスチナ人で国籍がないため」優勝には認められませんでした。彼は、ダマスカスで家族を失った子どもたちにバレエを教え始めます。

「全ては混乱状態でした。でも踊っている時だけは、大丈夫だ、絶対にうまくいく、という不思議な安心感があった。諦める訳がないと思っていた」

「シリア内戦ーーーええ、戦争があったことに、感謝しているのです。寝る場所も食べ物もない中で、困難を乗り越える力を自分自身で形成しえたのですから」

ダマスカスでダンスという「表現」活動を行うことは、危険と隣り合わせでした。彼の活動を知った過激派グループから脅迫されたことも数知れず。

それでもアハンマドさんは屈しませんでした。「Dance or Die」ーーダンスか、さもなくば死か。この言葉と共に今日まで生きてきた、と言います。

過激派集団が、シリアの小さな村、パルミラにある世界遺産を破壊しはじめたとき、アハンマドさんはもう、これまでのようにただ耐えていることはできませんでした。

すぐさまその村の劇場に、ダンスを踊りに行きました。「ここは芸術のための場所。人を殺す場所ではない」と伝えるために。それが彼なりの戦いだと気づいたのです。

https://www.courrierinternational.com/sites/ci_master/files/styles/image_original_765/public/assets/images/joudeh.jpg?itok=XUDfnOiO L'article de Courrier International

兵役まであと3ヶ月ーーという時、オランダ人ジャーナリストが危険を犯して彼のドキュメンタリーを作るためにシリアにやってきます。

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その番組を見たオランダ国立バレエ(Dutch National Ballet Company )の芸術監督が彼にコンタクトしてきます。

でも「難民なのでパスポートがない。だからビザ取得ができないし、オランダに行くことができない」と一度は断り、兵役に行くつもりだったそう。

ところがオランダの芸術監督もまた、諦めない。
なんとかクラウドファンディングで資金調達をして、兵役前にほんとうにアムステルダムへ呼び寄せを実現させたのです。

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アムステルダムにあるダンスアカデミーでレッスンを受け、オランダ国立バレエで初舞台を踏みます。

今は、パスポートがあるので(本業のオランダ国立バレエの合間をぬって)ヨーロッパの国をまわり、キャンプで暮らしている難民の子供達にバレエを教える活動をしています。
パスポートをもった今も、心は、生まれてから今日まで難民だから。

難民でも夢に向けて努力していいんだ、と伝えたいといいます。
一方で、いつもシリアの故郷が胸にあり、そこでは心にキズを追っていない人間など一人もいないという現実の前に打ちのめされるとも言います。

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最後にご家族ですが、シリアにいる母親とは、電気の通っている時、(数日に一回)電話が繋がるそう。

ベルリンの難民キャンプにいた父親とは10年ぶり以上で再会を果たし、号泣する父に初めて抱きしめられたといいます。

2017年7月、パリのエッフェル塔前でのダンス披露。フランスのBFTTVより。

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Ahmad Joudeh, danseur pour la paix de Palmyre à Paris

ラジオ局フランスインフォ。「シリアのビリーエリオット」と評しています。

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Ahmad Joudeh, « Le Billy Elliot Syrien » | Le Blog Du Bureau De Bruxelles | Franceinfo

フランス国立 アンジェ振付センター

ロワール地方のアンジェという街に、フランス国立現代舞踊振付センター Centre national de dance contemporaine Angers があります。

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先日モンペリエのICIをご紹介しましたが、それより歴史は古く 1978年設立。

CNDCと称されるこちらは70年代後半、フランスの国策として、文化の地方分散化政策ーーデサントラリザシオンが行われ、その一環として地方に設置された振付センターの一つ。「ヌーヴェル・ダンス」発祥のきっかけともなりました。

 

コースは二年間で、1年目は国立のため無料です。ただし年齢制限があり、18歳から24歳まで。選考は書類審査のみですが、狭き門です。

一次、二次とも全合格者氏名が公表され、入学後も非常に厳しいようです。

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次回のオーディションは2020年の予定。

Centre National de la Danse Contemporaine d’Angers (CNDC)
17 Rue de la Tannerie, 49100 Angers, France

Centre national de danse contemporaine - Angers - France

トップページから「École supérieure」というところをクリックすると入学に関する募集案内があります。

パリオペ一筋のkotorioが今回のような記事を書くのは珍しい。

それは、15歳前後でバレエ留学し、ヨーロッパ中のバレエ団のオーディションに落ちて、20歳前にして挫折感たっぷりで、バレエ人生と縁を切ってしまう人たちをたくさん見てきたから。

諦められるものなら、諦めて下さい。最初からその程度のものだったのだから。

でも諦めきれないなら、簡単に諦めちゃダメだ。いろんな可能性がまだ、ある。

フランスのダンス振り付けセンター/振付家になるには

前回は、フランスでダンス教師になるための学校情報をお届けしましたが、

では他の選択肢として、振付家はどうなのでしょう?

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フランスにおいては、まず、南仏モンペリエにある国立の振付センター ICI (Institut Chorégraphique International )が有名です。校長はクリスチャン・リッツォさん。

モダン、コンテンポラリー中心に、振付家を養成する2年間のカリキュラムです。

最初から振付家になることを目指す人はもちろんですが、例えば15歳ぐらいからバレエ留学、欧州のバレエ団のオーディションを受けまくって、それでもダンスが諦めきれずにーーと門を叩く人もいます。

実際、そういう人たちはここで2年の勉強ののち、遅ればせながらでもどこかのバレエ団にダンサーとして採用されることが多いようです。

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さらにここはフランスで唯一「振付家」の修士号コースをモンペリエ大学と共同で開講しています。

2011年と比較的新しいコースですが、アカデミックな研究のみならず、ここから幾人もの振付家が育っています。

2018年10月入学の試験は1月に既に終了済。

ICI - centre chorégraphique national de Montpellier/Occitanie
- direction Christian Rizzo
bd louis blanc, couvent des ursulines, 34000 Montpellier  ICI-CCN

フランス・バレエ留学と教師資格

バレエ留学。バレリーナ、ダンサーを目指してのことはもちろんですが、引退後のためにと、在学中にバレエ教師の資格をとる人も少なくないはず。

フランスではバレエは国家の芸術(文化庁管轄)、教師は「国家資格」です。

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ダンスクラシック(バレエ)、モダン(コンテンポラリー)、ジャズ、の3部門のひとつを専門として選び、国家試験に合格しなければならない。

プロのダンサーとしての実績があれば、一年の教育実習のみで済みますが、そうでない人は、レベル試験(EAT) →国家試験 →2年間の実習という流れで、2−4年は覚悟しておいたほうがいいかも知れません。

バレエ留学しても夢かなわず、数え切れないほどのバレエ団のオーディションを受けているうちに、年齢制限ーーという現実の壁にぶつかった時。

教師としての道を選ぶ人が多いですが、それもまた、生易しいものではないでしょう。

特にクラシック(バレエ)はレベルそのものが高く、教師養成の学校に入ることすら、難関。

国立のコンセルヴァトワール(音楽院)で数年間のレッスンを経て受験する人が多いですが、中には20代をオーディションに明け暮れ、すでに気づいた時は30で時遅しーーの方に、朗報です。

南仏トゥールーズ、ここは大学の街、スミレの街、赤レンガの街、そして「ダンス芸術の街」なんです!

毎年、ダンスコンテンポラリーの祭典が行われていることでも有名です。

ここに、私学のダンス教師養成学校があります。

1989年創立の「Art Dance International」まずは2分の動画をご覧ください。

www.youtube.com

同校への入学にはオーディションがあり、クラシック、ジャズ、コンテ各1時間、4月から7月までの間の日曜日に行われる予定です。

パリにこだわらず、地方を考えてもいいかな、という方、視野に入れてみてください。

Ecole de Danse Art Dance International - Toulouse
3 ter, boulevard Lascrosses - 31000 Toulouse

パリ・オペラ座バレエ観劇4月3日「オルフェオとエウリディーチェ」ピナ・バウシュ振付

Orphée et Eurydice/Opéra dansé en quatre tableaux
Musique Christoph Willibald Gluck Chorégraphie Pina Bausch 

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ピナ・バウシュ振付による美しくも悲劇的な舞台がガルニエ宮で行われています。グルックの古典的な様式美が、現代的な舞踊と溶け合って・・・
映像でみると素敵なのに、今夜の舞台は散々でした。

Orphée et Eurydice 1時間44分 19時半開演
Orphée Florian Magnenet Eurydice Alice Renavand
Amour Charlotte Ranson Orphée (chant) Agata Schmidt
Eurydice (chant) Yun Jung Choi Amour (chant) Chiara Skerath 

当たり役だったエトワールのマリ=アニエス・ジロが、3月31日をもって同作品で引退しました。

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今日のダンサー陣、気の抜けたコーラみたいな踊りで。3場のフルートまで・・・!

これ、はっきり言って主役が歌い手2人ですよね。私、オペラってその体型が、生理的に受け付けないんです。

神聖なるパリオペラ座バレエ団の同じ舞台に(オブラートに包んで)大変ふくよかでいらっしゃる歌い手が二人・・・

嫌悪感でぞぞっ。居心地が悪い2時間、絶え抜きましたkotorio。

この作品でよかったのは、モダンダンス的な女性ダンサーの薄桜色のお衣装だけ。

黒のユニゾンも、動画で見ると良いのに、いざ舞台で見て迫力半減「うわ最悪」という作品も珍しい。

ピナ・バウシュ作品がいかに今のパリオペに合わないか、を実感させられました。

パリオペの古典が見たい・・・。今月はオペラ座バレエ学校の公演もあるので、新人発掘にエネルギーを注ぎます。。。

www.youtube.com

www.youtube.com

「パリ・オペラ座のエトワール アニエス・ルテステュ自伝」発刊 

パリ・オペラ座のエトワール、アニエス・ルテステュ(1971年生まれ)の自伝が日本語で発売になりました。kotorioの憧れの女性ダンサーです。

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【目次】 
パリ・オペラ座バレエ学校へ/身体の記憶/自己鍛錬から教育へ/コンクール/はじめての大役/エトワール/役を変える/
身体は敵か味方か/振付師と創造/音楽~~パリ・オペラ座バレエ/キャリアの終焉/追記

【著者】

ジェラール・マノニ/ バレエ、ダンス関連専門の執筆者。

アニエス・ルテステュ/ 1971年生まれ。20世紀で最も偉大なバレリーナの一人。

パリ・オペラ座のエトワールを2013年に引退。現在は講師として後進指導に携わる。

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【内容】
アニエス・ルテステュは、パリ・オペラ座のみならず、ボリショイ劇場ミラノ・スカラ座、東京、キューバなど、世界の権威ある劇場を活躍の舞台としてきたエトワール・ダンスーズ。

レパートリーは、『椿姫』『ジゼル』など情熱的、熟成した女性の役から、コンテンポラリーの抽象表現、アブストラクトと、幅広い。

卓越した技巧、持って生まれた大人の女性的なムードが、その演技を支えています。

その踊りの深み、オリジナリティーは1度目にしたら虜になること確実。
ジェラール・マノニとの共著であるこの自伝の中で、彼女はダンサーにして衣装デザイナー、そして引退後、バレエ教師として活躍する現在の素顔についても触れています。

修業時代、後進の指導、精神と身体の関係、主要な役、友人でもあり敵でもある身体、振付家たちとの関係ーーー岐なテーマを、女性ダンサーが、率直に、そして知的に、この本を通して語りかけてくれています。

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引退後、ますます輝く40代を送っているひとりの先輩として、心から敬意を感じます。


世界文化社 より、2018/3/1 発売
サイズ: 19.5 x 13.5 x 2.2 cm