Chose de parler de la danse ダンスについて語ること

Autoportrait de l'auteur en danse :パリ、ダンス、言葉の敷石を踏みしめて

速報!パリオペラ座バレエ・昇進コンクール結果

3月2、3日に行われたパリオペラ座バレエの昇進コンクールの結果が出ました。

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 ・男性ダンサー

プルミエ・ダンスール
Monsieur Paul MARQUE ポール・マルク

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スジェ
Monsieur Francesco MURA フランチェスコ・ミュラ
Monsieur Pablo LEGASA パブロ・レガサ

コリフェ
Monsieur Axel MAGLIANO
Monsieur Simon LE BORGNE


女性ダンサー

プルミエール・ダンスーズ
昇進なし

スジェ
Mademoiselle Roxane STOJANOV ロクサーヌストヤノフ
Mademoiselle Aubane PHILBERT オーバーヌ・フィルベール

コリフェ
Mademoiselle Caroline OSMONT カロリーヌ・オズモント
Mademoiselle Bianca SCUDAMORE ビアンカ・スクダモア

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下記が詳細順位です。
男性ダンサー

カドリーユ→コリフェ (課題曲「ラ・シルフィード」ジェームズのヴァリエーション)
1. Axel Magliano (昇進) 
2. Simon Le Borgne (昇進) 
3. Isaac Lopes-Gomes 
4. Andrea Sarri 
5. Giorgio Foures 
6. Julien Guillemard.

コリフェ→スジェ (課題曲「オネーギン」レンスキーの2幕ソロ)
1. Francesco Mura (昇進) 
2. Pablo Legasa (昇進) 
3. Thomas Docquir 
4. Hugo Vigliotti 
5. Mickaël Lafon 
6. Alexandre Gasse 

スジェ→プルミエ (課題曲「マノン」1幕デ・グリューのヴァリエーション)
1. Paul Marque (昇進) 
2. Jérémy-Loup Quer 
3. Marc Moreau 
4. Daniel Stokes 
5. Allister Madin 
6. Fabien Révillion


女性ダンサー

カドリーユ→コリフェ (課題曲「祭りの夜」)
1. Caroline Osmont - (昇進) 
2. Bianca Scudamore - (昇進)
3. Naïs Duboscq 
4. Seohoo Yun 
5. Célia Drouy 
6. Héloïse Jocqueviel

コリフェ→スジェ (課題曲「パキータ」グラン・パ)
1. Roxane Stojanov - (昇進)
2. Aubane Philbert - (昇進)
3. Juliette Hilaire 
4. Charlotte Ranson 
5. Jennifer Visocchi

スジェ→プルミエ (課題曲「ディアナとアクティオン」)
昇進、順位なし

《kotorioの解説》
女性ダンサー

→プルミエール・ダンスーズの枠が一つあったのですが、適任がおらず、票が割れました。今年は昇進は見送られました。


スジェに昇進したのは、ロクサーヌストヤノフオーバーヌ・フィルベール

ドキュメンタリー映画「ミルピエ」に出演していた二人なのでもう一回見直してチェックしてみて下さい。

オーバーヌ・フィルベールは10年以上キャリアがあり、「スーパー・バレエ・レッスン」にも登場しています。


コリフェに昇進したビアンカ・スクダモアは、パリ・オペラ座初のオーストラリア人団員!昨年7月入団したばかり。

2015年のYAGP3位、パリ・オペラ座学校に入学しました。4位のSeo Hoo Yunも、昨年7月の入団試験で入団したばかりで今回は昇進に至らなかったものの、2014年ヴァルナでジュニア1位の実績があるので、来年に期待です。覚えておきましょう。

男性ダンサー

→ジャーナリストの間で確実とされていたポール・マルクがプルミエ昇進。

昨年末に「ドン・キホーテ」、現在上演中の「オネーギン」ではレンスキー役で好評を博しているので満を辞して、といった感すらあります。


スジェに昇進したパブロ・レガサも、コリフェで「ドン・キホーテ」でバジルを踊っているので、今シーズン・また来シーズンに向けて注目の二人といって間違いないでしょう。

www.operadeparis.fr

3月のWOWOW パリオペ関連番組・放送予定

日本の皆様、うらやましい・・・WOWOW3月はパリオペ祭りか!こんなにたくさんのラインナップがご覧になれますよ!

(注・某放送局のまわしものではございません)

3月8日木曜
パリ・オペラ座バレエ団特集   2012-2014

ーーー世界最古かつ最高峰のバレエ団であるパリ・オペラ座バレエ団の作品を特集。古典的な名作から最先端のモダン・バレエまで、その全貌が今明らかに。

https://static01.nyt.com/images/2013/12/23/arts/BEAUTY/BEAUTY-master1050.jpg
ヌレエフ 『眠れる森の美女』 19:00
ヌレエフ 『ドン・キホーテ』 21:35
ミルピエ+バランシン 『ダフニスとクロエ』 『水晶宮』 23:35

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ノイマイヤー 『マーラー交響曲第三番』  深夜1:30

上記は全て再放送ですが、日本でDVD未発売の映像ばかりではないですか!!

kotorioおすすめは「マーラー交響曲第三番」。

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マーラー嫌いのkotorio、あのシンフォニーが パリ・オペラ座でバレエ化されるとどうなるかーーーご興味のある方、またバレエに縁がなかったけれど、クラシック好きの方も、ぜひ一度、ご覧あれ。

「君はベジャールをみたか」 深夜3:30
http://www.wowow.co.jp/detail/111764/-/02


3/11(日)
バレエプルミエール #4 16:00 #5 16:30

ベジャール・セレブレーション テム・エ・ヴァリアシオン 17:00
ベジャール・セレブレーション特別合同ガラ 18:00

モーリス・ベジャール・バレエ団 テム・エ・ヴァリアシオンーー初放送。

2017年は、11月22日の没後10年、また初来日公演50周年の節目の年でした。

その記念特別ガラの一部、ジル・ロマンがベジャールのために振り付けしたのが

「テム・エ・ヴァリアシオン」。

2部の「ベジャール・セレブレーション特別合同ガラ」は再放送のようですね。

ベジャールの名作映像でもう一度振り返るチャンスです!

モーリス・ベジャール没後10年&カンパニー来日50周年記念

WOWOWオンライン

バレエ「オネーギン」比較 振付お膝元シュトゥットガルトvs 原作のボリショイ

kotorio個人的にパリオペごひいきです。公言します。

でも他のバレエ団がどんな風にこの「オネーギン」というバレエを解釈し、演じているか、読者のみなさん興味ありますよね?

https://www.operaandballet.com/photos_info/perfomance/bolshoi_Onegin_John_Cranko/big/1454343382.5284.jpg

まずは振り付けのジョン・クランコ率いるドイツのシュトゥットガルトバレエ団。

www.youtube.com

ロシアのほこるボリショイバレエ、

http://cdn1.bostonmagazine.com/wp-content/uploads/2016/02/Ballet.jpg

Nina KaptsovaとRuslan Skvortsovのラストシーン。

www.youtube.com

オマケにふたつ、見つけちゃいました。

まずはドイツ・ハンブルクバレエ。ここ、良いですねぇ。完成度高い。

www.youtube.com

カナダの「ナショナルバレエ・オブ・カナダ」(国立バレエ)のプロモーション映像はまるで映画のように美しく完成されています!

www.youtube.com

パリオペラ座オネーギン6回目観劇 ロビーでばったりあの人が!

オネーギン毎日通っています。ドロテの最終日(自身観劇2回目)と、(マチューがいた話はしましたよね)パクの日(自身観劇3回目)行ってきました。

MARDI 27 FÉVRIER 2018 À 19:30
Onéguine
Eugène Onéguine Audric Bezard
Tatiana Dorothée Gilbert
Olga Muriel Zusperreguy
Lenski Jérémy-Loup Quer
Le Prince Grémine Florian Magnenet

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MERCREDI 28 FÉVRIER 2018 À 20:00
Onéguine
Eugène Onéguine Hugo Marchand
Tatiana Sae Eun Park
Olga Léonore Baulac
Lenski Germain Louvet
Le Prince Grémine Jérémy-Loup Quer

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パクも3回目となると飽きました(笑)この日は最後の大ジャンプをユーゴがきちんと手を握っていなかったためか飛びそこなってしまったアクシデントがあり(ここが見せ場なんですが)、それが尾を引いたのか、パクの「あっちの世界いっちゃったもんね・・・・」感がいまいち薄かった。最後も泣いてなかったし。

今夜気づいた点としてはこの「田舎娘感」やっぱりドロテじゃダメなんですね。

パクだからこそ、気の小さい「アジア的」要素が出て、最後の絶叫に至る。あのギャップでしょうか。

テクニック確実にすごい、でもそれを誇示しないナチュラルさ。

オニールよりこの人が先にエトワールに任命されるのではないか、という噂もあるほど。「なんでパリオペにアジア人!」逆に、オニールにたいしては「人気だけで実力が伴っていない」と両サイドに反対論があります。

オーレリー監督とも相性が悪いのでは、とささやかれているオニール。(ファンの間では、いや、そんなことない。オーレリーはオニールの実力を買っているからこそ、この段階で、人気取りのエトワールにさせるような甘い措置を取らないだけだ、と)

この日の一幕、楽屋口の0階で見ていたのですが(日本式の1階です)

終了後、扉を開けたらなんと、そこにいたのがオーレリ・デュポン監督!!!!!

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ええええっ。kotorio、現場に弱いのか?強いのか?

思わず目を合わせて、私が固まっているのを見ると(下記の写真状態になった)

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「あ、ボンソワー(こんばんわ)」って向こうから握手の手を差し伸べて。

ええええええええーーーーーー

ありえなーーーーーーーーい

・・・・・・kotorio上記写真状態のまま、絶句。取り急ぎ右手を差し出したものの、感激のあまり、覚えていない・・・・。

あのシャンデリアも、あの丸天井のシャガールも、彫刻の一つ一つも、舞台の床も、オーレリーにとっては、7歳とか8歳ぐらいから馴染んできた、まさに「家族より近しい自分の血と肉」と言っていたーーー彼女のバレリーナ人生の歴史そのもの。

オペラ座丸ごとこの人の43年間(今もう45歳)、身体の一部ってすごすぎる。

今夜はもう手が洗えない、おのぼりさんkotorio・・・・・。

(このオペラガルニエ宮が「私そのもの」って、もうこの人生きた人間国宝?)

オーレリーって足も(特に太もも)胴も太いし、二の腕はお肉付いているし、顔は四角いし、なんであんな日本で人気があるのかよくわからなかった。来日で何度も見ているけれど、ジゼルも「なんでオーレリーでジゼルかなー」ぐらいにしか思わなかったし。

むしろ私はアニエス・ルティシュの「洗練された大人の女性」としての美しさ、に惹かれていて。

オーレリーってしかも、ルグリと一緒じゃなきゃ輝けない、もうあの時代は終わったのね感があるのと、やっぱりすっごく太りやすい体質だと思うんですよ。

だから監督になってから派手スーツとかばかりきているのかな。ここでオーレリー私服ファッション・チェーック!

https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcQfi_uLsXSyePYAnVm_bxVa-bsj1ANYBGnWMcAX2VUqnCcuud0Fhttps://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcQO7xOG6yPlmatELcANWV2lr8MrlRVw7U_hjHqz4fvIgLkyzEeFYg

https://s-media-cache-ak0.pinimg.com/originals/65/2d/4e/652d4eab1e2627df08d0cb1acc3e0f98.jpgf:id:kotorio:20180303181753j:plain 右はシャネル

人前にでる仕事だから太らないように、現役時代以上に気をつけているんだと思います。(この人、妊娠・出産で20キロ太ってたわ)

好きでも嫌いでもないオーレリー、目の前で見ると「キレーなマダムが、普段着でいるわ」って感じで。

 

でも緑のカーディガン。写真右上の着てました。この人色使いのセンスが・・(笑)

・・・・・ってなんの話でしたっけ。

そうそう、サプライズはこれだけじゃないんですよ。

オーレリーとの握手で感激冷めやらぬまま、終演後、扉を開けると、楽屋へ向かう普段着のオニール八菜とバッタリ正面対決。

https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcQdN20x56LZcVbJwwqWYeospBcgbCLbfmUMndMUH1_8sZIVHiPWYA

まーじーかーよーーーーーーーー

あれだけアンチ・オニールだったのに、至近距離で見るとすっごいこの人キレーだわあ。背が高いんですねえ。普段着でもバレリーナオーラ・ビンビン。やっぱパリオペダンサーはこうでなくっちゃ!的な、テキストみたいなオーラ(笑)

こっちから「あ、ボンソワー」って言うと向こうも「ぼんそわー」言ってたから、なんか普通に関係者スルーされた感。

英国ナショナルのタマラ・ロホとふと比べちゃうのですが、もともとロホはすっごいぽっちゃり体型で現役時代から叩かれていたクチだから、私服の時に何度かすれ違ったけど、ただのヒト(笑)

今のパリオペエトワールでも、美人のカテゴリーに入らないアリスちゃんだっているぐらいだから、オニールでもいけるかな、ぐらいにしか思っていなかったけど、やっぱり普通に見ると「きれいですねえおねえさん」になるんだぁ。

そんなわけでつらつらと、劇場外のつぶやきの多かった観劇日記。

教訓・いつでもスターにあえるように、劇場にはおしゃれしていきましょう。

パリオペラ座バレエ「オネーギン」ドロテ2回目鑑賞

MARDI 27 FÉVRIER 2018 À 19:30
Onéguine
Eugène Onéguine Audric Bezard
Tatiana Dorothée Gilbert
Olga Muriel Zusperreguy
Lenski Jérémy-Loup Quer
Le Prince Grémine Florian Magnenet

 

結局、1)パク→2)ドロテ→3)どうしてもパクをもう一回見たくて→4)ローラ→5)あれ?やっぱりドロテと比較したい

というわけで今回はドロテ2回目、通算5回目のオネーギン観劇となりました。

この日はドロテの演じる最後のタチアーナです。この後は3月7日までの公演をパクとローラの組で交代で引っ張っていくことになります。千秋楽はローラがつとめます。

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やっぱりね、なんだかんだ言って、良いんですよ、ドロテ。エトワールとして、世界最高峰のパリオペラ座の代名詞は今、まさに男性ならマチューと女性ならドロテ。二人ともかなり成熟してきた感があり、そろそろ賞味期限切れか、と思わせつつも、やっぱりオーラが違うんです。

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オードリックのオネーギン役は、老けた感じがとってもよくでてるんです。髪型のせいかな。

この人は2幕であまり「イライラ感」を出しません。その代わり、決闘シーンでの「高速3回転」(kotorio命名)はこの人はうまい。とにかく回転に度肝を抜く速さがありますし、そこに怒りが込められているのがしっかり伝わってくる。

さらに昨日のキャストで私が違和感を覚えたブラ(腕)の激しい振りほどき方が、その回転スピードに引っ張られていないために、もう見ているこちらが殴られているような、心臓ばくばく感が募るわけです。小さなテクニック的なこととはいえ、kotorioさん、細かいです(笑)ここの腕の一つで、見ている印象が全く違ってくる。

ラストシーンのドロテは「かんっぺきにお仕事こなした」感で、感情の盛り上がりに欠けます。まったく文句のつけようのない演技、テクニック、にも関わらず、こちらが一体となって慟哭してしまうような、あのパクの全身が張り裂ける想いがない。

カーテンコールで相手役にきちんとお辞儀をするのは3役のタチアーナのうちこの人だけなんですが、エトワールとしての礼儀があっていいなと思います。一方「あー余裕なもんだわねえ」とも思ってしまう(笑)

0階(日本式一階)で観ていたのですが、なんと終演後外に出た時、帰りの人の流れに逆らう方向で、超イケメンがこちら側へ歩いてくるので誰かと思ったらマチューガニオなんですよ。楽屋へ通じる奥の扉へ入って行きました。誰も気づいていないーーーー(私は固まっておおおお、本物!!ふつーに茶色のタートルネック着てるし!この群衆に馴染みすぎているし!と振り返っていたんですが)

ドロテ最終日だから観に来たのかな?客席にいましたか??あるいは、ラスト1週間と迫ったわけで、オードリックへの先輩からのダメだしがあるのかな?などなど。

いやあ、最後に素晴らしきオマケがついており、びっくりの今夜でした。

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さて、この「オネーギン」というドラマ、3幕に収めるためにバレエ版、オペラ版とも、原作をかなり削っています。

・恋人を決闘で亡くしたオリガ、そのあと出てこないんだけどどーやって暮らしたの?

・タチヤーナ、どういう経緯で侯爵夫人を選んだの?

・オネーギン、決闘のあとどうしていたの?

バレエだけみると、この辺り、まったくカットされているので謎ですよねえ(笑)

さて公式サイトにはあの永遠のカップル、イザベル・シアラヴォラ演じるタチアーナとオネーギンがエルベ・モローという最高の動画(1分少し)があり、視聴必須!!

イザベルは本当に「タチアーナ」「椿姫」こういう役をやらせるとうまい。

www.youtube.com

 

パリ・オペラ座バレエ「オネーギン」1回目・3回目観劇 ユーゴ・マルシャンとパクの回で圧倒!

JEUDI 22 FÈVRIER 2018 À  19:30 

SAMEDI 24 FÉVRIER 2018 À 19:30
Onéguine
Eugène Onéguine Hugo Marchand  ユーゴ・マルシャン(エトワール)

Tatiana Sae Eun Park パク・セウン(プルミエ・ダンスーズ)

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Olga Léonore Baulac レオノーラ・バラック (エトワール)
Lenski Germain Louvet ジェルマン・ルーヴェット(エトワール)

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Le Prince Grémine Jérémy-Loup Quer ジェレミー・ルー・クエラー(スジェ)

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現在、パリ・オペラ座で上演中のジョン・クランコ振り付けの「オネーギン」。
2月8日がプルミエで、前半戦はマチューガニオやマチアスエイマンといったエトワール級が出演していましたが、月末からのバスティーユの「ボレロ」のほうに出演の為か、後半戦からは、3組の組み合わせで回していくことになります。
3月7日までの全21公演。

最初に観たのが22日木曜のユーゴ・マルシャンとパク・セウンというこのコンビだったのですが、思いっきりおめあてはオルガ役のレオノーラちゃんでした。
もうこの少女ってば、生まれながらの天性の愛らしさで、どこかアリーナ・コジョカルにも共通する弾ける笑顔の天使何です。
くるみ割りのクララとか、彼女そのものって感じで・・・。
レオノーラちゃんの相手役となるジェルマンくんがスジェという階級ながら、もうレオノーラとぴったりの相性で、本物のカップルみたいで。

超イケメン、確実なスター路線、王子街道まっしぐら、なわけです。

足もつま先もすっごく長くて、甲が美しすぎる・・・。kotorioこの麗しすぎる二人にもう目が釘付け。

ダンサー階級は、
平社員→カドリーユ→コリフェ→スジェ→プルミエ→エトワールなので、順調にプルミエ昇格確実と見込んでおります。この人のエトワール就任の瞬間に立ち会いたい!!

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22日木曜ソワレは、39度の熱を押して観に行ったkotorio。もし途中でふらふらして集中できなかったら、1幕か2幕だけで帰ろうとさほど期待もせずに行ったのでした。

1幕は、解説でも書いたようにまあストーリーを理解する上で主要4役を押さえる、ということで終わってしまったのですが、2幕を観終わった途端、「こっ、これは帰れん!」と形成逆転。

とにかく

・レオノーラとジェルマンくんが相性ピッタリ

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・ユーゴ・マルシャンがエトワールの貫禄で控えめかつ細部まで思考の行き届いた演技力を見せる。こ、これはルグリ越えか!?

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・さらに、もっとも期待していなかった韓国のパクのタチアーナ。行くまでは「黒髪のタチアーナなんて観たくないわ〜。韓国人がパリオペのエトワールにでもなったらもう見に行かないかも・・・」ぐらいのことを思っていました。

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ところがところが!この人、大真面目に技術が半端ない!なんでオニール八菜があんなに持ち上げられているのか全くわからない(もともと彼女には技術的な課題が多すぎる、エトワールにはまだまだ早い、と個人的にはずっと思っていたのだが。日本国籍ではないのだから、日本メディアも取り上げ方間違っているし)

パクさん、300倍上手い。まずこれに度肝を抜かれたんですよ。

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前半は本を片手に内気な文学少女。恋に恋しちゃって、でもオネーギンに憧れて、夢みて、破れて・・・3幕、伯爵夫人の気品もプルミエダンスーズとは思えないほど。

そしてクライマックス。

この人、つーいーに、ここで感情を爆発させるんですよ。

もう見ているこっちが胸が張り裂けそうになる。彼女、踊りながら泣いているんです。最後の絶叫も、鳥肌もの。自然に観客が彼女にシンクロしちゃうんです。

翌日のドロテジルベールを観たときに「型通りに完璧にタチアーナ役を解釈し、演技をこなしている」だけに見えてしまって、感動はしなかったのです。

それで、さらに翌々日、パクさんをもう一度観なくては気が済まないっ、となって観に行ったのですが、いやいや私の目に間違いはなかったようだ。この日もすごかった。

一瞬「韓国人だからなのか」などと考えてもしまった。感情を爆発させることに関してはお家芸。あるいは、日本人である自分が、アジア人として共感しやすい何かプラスの要素があるのか?

あの控えめさ、我慢に我慢を貫い得てきた想いが溢れても、自ら捨て去った過去、そして今を生きていかねばならない「業」を受け入れる彼女の責任、といった表現方法が、しっくり来るのかな。

いずれにせよ、やはりパク個人の解釈、ダンサーとしての人のあり方、が卓越している、と思うんですよね。

二度目に観たときも、最後はデュエットのときから、泣きながら踊っているのがわかりました。

そして大絶叫も感動モノ。一体どうしてここまでドロテとは違うアプローチができて、こんなにも胸に響いてしまうんだろう、言葉にできない。

とにかくこの日は最前列だったので、もう両隣が「ブラボー」の嵐で、わたしも叫びまくりました。

幕が降りて、再度カーテンコールの為に幕が上がっても、まだパクの目には涙が光って真っ赤になっていて、「あちらの世界」に行ってしまって、しばらくこちらの世界に戻ってこれていないような。それほどの渾身の演技なわけです。

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フランスのテレビ「France 3」にて「les coulisses d'Onéguineオネーギンの楽屋から」という短いルポが放映されました。こちらからご覧ください。

culturebox.francetvinfo.fr

リュドミラ・パリエロがポワントシューズを準備する楽屋風景や、リード・アンダーソンの演技指導を受けながら、マチュー・ガニオとリハをする様子を見ることができます。

もうひとつおまけに「Culturebox」というフランスのラジオ局のサイトですが、動画が非常にいいです。合わせてご覧ください。ジャンプしているのはマチアス・エイマンですね。

culturebox.francetvinfo.fr

パリオペラ座バレエ「オネーギン」ドロテ・ジルベールの回 3幕

(3幕)
グレーミン公爵宅での舞踏会。年齢を無為に重ねてしまったことを感じさせるオネーギンはすでに白髪まじりとなり、所在なげ。

グレーミンの妻として、あのタチアーナがいることに気がつく。美しく華やかに成長したタチアーナ。ドロテはここもうまい。社交界の華としての自信、夫に愛されている安心感で輝き、公爵夫人たる堂々たる態度。赤いドレスも、一つ一つの動きに優雅さを加え、言うことなし。

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二人のパ・ド・ドゥは、グレーミンの愛情深さを感じさせる。

二人にオネーギンは近寄るが、みすぼらしい貧乏貴族のオネーギンに気づかない。

舞踏会での群舞の華やかさは、やはりパリ・オペラ座。ドレスも、見目麗しく。

照明が青く変わり、オネーギンの回想シーン。一人、一人と女性がオネーギンと踊り、去っていく。数々の女性遍歴だが、オネーギンの心に残ったのはタチアーナ、一人。

オネーギンはようやく公爵とタチアーナに挨拶をする。若い日に恋に恋する小娘だと見下していたタチアーナの、堂々とした振る舞いに度肝を抜かれる(笑)オネーギン。

遅いんだよ・・・。


タチアーナの寝室。彼女の手の中には、オネーギンからの手紙が。

心乱れて葛藤している。彼女に近づく人影があり、思わずどきっとするが、夫グレーミン。立ち去ろうとするグレーミンを今一度抱きしめるタチアーナ。

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グレーミンが去って一人残されたタチアーナのところへ駆け込んできたオネーギン。さあ、いよいよ物語クライマックスへ。

ようやく彼女が生涯唯一愛した人だったと気づいたオネーギンとの「手紙のパ・ド・ドゥ」。彼女の足元に何度も倒れこみひれ伏して懇願するオネーギン。

老いて惨めな男となってからの演技は、泣かせる。

サポートは上手く、タチアーナを背後から抱きしめたり、高くリフトしたり。

思わず彼の想いに、拒絶しようと繰り返すタチアーナ、苦悩と、今まで秘めてきた想いが交差してーーー彼女にとっても、オネーギンは生涯ただ一人、愛した人。

オネーギンの手を持ったまま、大きく背中をそらせたアントルラッセ

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身を焼き尽くすような激情、堪えなければと抗う気持ちとの葛藤。

それでも、我に返ったタチアーナは、手紙を拾い上げ、若い日に彼がしたのと同じようにつき返して、破って落とす。顔を背けたまま、部屋を出て行くように指で強く命令する。このあたり、感情移入がどうしてもドロテにはできなかった。演技が完璧すぎて、「あー、演技なんだよねーエトワールだもん、これぐらい当たり前の世界のレベルだよね」と思ってしまう。

茫然自失となったオネーギン、すがるような目で彼女を見るが、顔を背けたままの彼女に、涙に暮れ走り去る。

思わず彼の後を途中まで追いかけそうになってしまったタチアーナ、想いを断ち切ったはずなのに、なのに、正面を見据えて、ただひとつの愛を葬り去った苦悶、自らの「正しい」選択に、激しく慟哭するーーー(幕)

ラストシーンでのドロテもまた、なんというか「型通り」的な優秀さで、うっわー、これじゃ文句つけようがないんだけどなーという、どこか冷めた印象もある。

「手紙のパ・ド・ドゥ」は、オネーギン以上に、タチアーナが主役。説得力のある、深い演技ができるか、がポイント。

ドロテの存在感は有無を言わさぬものがあって、それに引っ張られての完成度になってしまっている感が否めないし、正直、ドロテを見た後で「あ、これはパクのほうがよかった、感情移入できた」と思ってしまったのが正直な所。

木曜のパクは拍手が鳴り止まなかったし、彼女自身も最後は泣きながら踊っているような感じで、もう、観客も一緒に泣いてしまう、という。ところが翌金曜のドロテだと、あーもうそつなく完璧にこなしてきたよなーという感じで、涙もない。

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ドロテの回のキャストで、このオネーギンという全幕ものバレエを3回に渡って解説してきたけれど、ようやくパリオペラ座のレパートリーにふさわしく仕上がってきた。

ただ、どうしても、脇役がヒューゴの回と比べて地味すぎ、ドロテ一人のオーラで引っ張っていただけの「完成度が高い」だけになってしまっていたことから、どういうわけか、初日にみたパクの演技のほうが「人間味がある」と感じられてしまって、翌日、もう一度パクのキャストで見直しに行くことにした。

女王ドロテを見てなお、それでもみたい、と思えるプルミエダンスーズのパクのタチアーナの解釈、演技とは一体なんだったのか、あの高度な技術は他のエトワールを食っている感すらあった。これはどうしても見ないではいられない。

 

2月下旬からバスティーユで「ボレロ」に出演してしまうダンサーが離れたため、残り千秋楽まではこの2キャストと、ローラのタチアーナで回すことになる。従って、マチューなどももうキャスティングはされていない。

前日のレンスキーのジェルマンがオルガ役の愛らしくてたまらない、天性のレオノーラともうナイスカップルすぎて、見ているだけで至福の一時。ジェルマンはもう、これは「押し」の将来のエトワール確実候補です。kotorioが断言します。こんなダンスノーブル、もう10年と言わず20年に一人の逸材ですねえ。

ドロテ側のミュリエルとジェレミーのコンビが地味すぎて仕方なかった理由もここにあり、やはり、これは4役揃わないと、全体のバランスがうまくいかない。

オルガはレオノーラを見ていると、英国のコジョカルちゃんでもはまれそうな役だあ、と思った。生まれ持っての「愛らしさ」という何にも変えがたいバレエダンサーの資質をうまく生かした配役、というのも今回ひしひしと感じた。

www.youtube.com