Chose de parler de la danse ダンスについて語ること

Autoportrait de l'auteur en danse :パリ、ダンス、言葉の敷石を踏みしめて

Ballet National de Canada (カナダ国立バレエ団) パリ公演感想

シャンゼリゼ歌劇場恒例となった「トランサンダンス」シリーズ。
カナダ国立バレエ団のジョン・ノイマイヤー振付『ニジンスキー』で始まりました。
2000年にハンブルク・バレエ団によって初演。

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ノイマイヤー氏自身が手掛けた舞台セットも見ものです。
物語は、とある30歳のダンサーが、自分のパトロンだったディアギレフが登場したという幻想と錯覚に紛れ込み、バレエ・リュスの栄光の年月(第1幕)と第1次世界大戦(第2幕)を背景に、狂気への背景を描く、といったもの。
目の肥えた観衆をも満足させる、よくできた筋書きです。

『薔薇の精』『シエラザード』『牧神の午後』など昔、栄光の絶頂にいた頃の自分の役が幻のように、ニジンスキーの妄想の中に現れます。
同時にバレエ・リュスの主宰者ディアギレフとの出会い、南米ツアーに向かう大型客船上で、後に妻となるロモラとの出会いといった史実に基づいて、物語の構成は歴史上の観点からも、非常に興味深いもの。

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コルサコフ作曲『シエラザード』とともに、観客はニジンスキーとともに旅をするような、なめらかな展開です。

後半は、ショスタコーヴィッチの『交響曲第11番』、大戦がニジンスキーをダメにしていく過程が鬱々とした音楽とともに辿られていきます。

ニジンスキー、牧神、ロモラのパ・ド・トロワも、言葉や文章には決してできない、曖昧な感情をうまく「身体」という言語で表現されました。ブラボー。

ボリショイバレエ inシネマ2017-2018

ボリショイ・バレエ inシネマ Season2017-2018」情報です。

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12月6日(水)より全8作品、日本の映画館にて、限定上映されるそうですよ!

プレスリリースはこちら。

ロシアの名門バレエ団ボリショイ・バレエの新作4作を含む合計8作品を、全国の映画館で1日限りの特別上映。|ライブ・ビューイング・ジャパンのプレスリリース

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「今シーズンは現在最も評価が高いコレオグラファーと世界最高峰のダンサーたちにより再演される最高の古典作品を映画館へお届けいたします。

 現代バレエ界をリードするアレクセイ・ラトマンスキーが手がけるヒストリカル・バレエ3作品「海賊」「ロミオとジュリエット」「パリの炎」が大スクリーンに登場!

加えて、ジョン・ノイマイヤーの「椿姫」、ジャン・クリストフ=マイヨーの胸躍らせる「じゃじゃ馬ならし」とともに、時代を超越した古典バレエの人気3作品「ジゼル」「くるみ割り人形」「コッペリア」も上映」 ーーーとのことです。

ちけっとぴあはじめ、公式サイトでプログラムとチケットが購入できます。

kotorio的にそれより気に入ったのが、今年のボリショイバレエのオフィシャルトレイラーなんですが。無料で自宅でほくほくしながらこんな美しいもの観てしまっていいのでしょうか・・・。

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シリア難民に、第18回英国「ダンスアワード」授与

英国紙で第18回英国ナショナル・ダンス・アワードのノミネートが発表されました。

昨年9月から今年8月末までの一年間に、英国で行われた500公演が対象となります。

「Dance Section of the Critics’ Circle」という批評家のら60人でつくられた組織が毎年この賞を選考しています。全部は書ききれないので、上位2名をとりあえず載せておきますね。

DANCING TIMES AWARD FOR BEST MALE DANCER 最優秀男性ダンサー
Miguel Altunaga (Rambert)
Isaac Hernández (English National Ballet) イザック・エルナンデス など

GRISHKO AWARD FOR BEST FEMALE DANCER 最優秀女性ダンサー
Francesca Hayward (The Royal Ballet) フランチェスカ・ヘイワード
Sophie Martin (Scottish Ballet) ソフィー・マーティン  などSTEF STEFANOU AWARD FOR OUTSTANDING COMPANY 傑出したカンパニー
42ND Street
Alvin Ailey American Dance Theater   など

BEST CLASSICAL CHOREOGRAPHY 最優秀クラシック振付賞
[Sponsored by The Ballet Association]
Akram Khan for ‘Akram Khan’s Giselle’ (English National Ballet) アクラム・カーン「ジゼル」(ENB)

OUTSTANDING FEMALE PERFORMANCE (MODERN) 傑出した女性モダン・ダンサー
[Sponsored by DWFM Beckman]
Antonia Grove in ‘Virgin Territory’ (Vincent Dance Theatre)
Shelley Eva Haden in ‘MK Ultra’ (Rosie Kay Dance Theatre)
Ashley Shaw as Vicky Page in ‘The Red Shoes’ (New Adventures) アシュリー・ショー 「赤い靴」(ニュー・アドベンチャーズ

OUTSTANDING MALE PERFORMANCE (MODERN) 傑出した男性モダン・ダンサー
Mithkal Alzghair in ‘Displacement’ (Mithkal Alzghair)
Christopher Akrill in ‘Stepmother/Stepfather’ (HeadSpaceDance)
Karl Fagerlund Brekke in ‘Stepmother/Stepfather’ (HeadSpaceDance)
Robert Fairchild as Jerry Mulligan in ‘An American in Paris’ロビー・フェアチャイルド「パリのアメリカ人」

Israel Galván in ‘FLA.CO.MEN’ (Cĩa Israel Galván) イスラエル・ガルヴァン「FLA.CO.MEN」

女性振付家クリスタル・パイトさんはかのシルヴィ・ギエムですら興味があると名前をあげるほどで「Emergence」「Flight Pattern」2作がノミネートされました。

傑出したモダンダンサーに選ばれたMithkal Alzghairさん、初めて聞く名前だなあと思っていましたら、シリア難民とのことです。

作品をご覧ください。

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こちらが彼のインタビュー動画です。

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難民、移民、欧州の抱える問題と、芸術支援を結び付けることの可能性や、現状について、政治学の観点から、ただいまkotorioも調査に取り組んでいます。

NHK-BSプレミアムシアター12月 マリインスキー「くるみ割り」、ベジャール第九

19日(日)の深夜(11月20日月曜の朝にかけて)、ただいま日本ではハンブルグ・バレエの「ニジンスキー」が放映されている頃だと思います。

来月のNHK-BSプレミアムシアターは12月24日深夜(25日の朝にかけて)マリインスキー・バレエの「くるみ割り人形」とモーリス・ベジャールの「ベートーヴェン第九交響曲」が放映予定のようですね。

プレミアムシアター - NHK

くるみは、主演レナータ・シャキロワとダヴィッド・サレーエフ、指揮はもちろん、ワレリー・ゲルギエフ氏ですから安心して楽しめますね。

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12月25日(月)24日深夜(日)0時から

マリインスキー・バレエ「くるみ割り人形」(全3幕)
チャイコフスキー 作曲 振付:ワシリー・ワイノーネン

<出 演>
マーシャ:レナータ・シャキロワ 王子:ダヴィド・ザレーエフ
ドロッセルマイヤー:アンドレイ・ヤコブレフ ほか
マリインスキー劇場バレエ団

管弦楽>:マリインスキー劇場管弦楽団 <指 揮>:ワレリー・ゲルギエフ

収録:2017年6月7・9日 マリインスキー劇場サンクトペテルブルク


モーリス・ベジャール振付 ベートーベン「第九交響曲

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音 楽:交響曲 第9番 二短調 作品125 ベートーベン 作曲
振 付:モーリス・ベジャール 振付指導:ピョートル・ナルデリ 総合演出:ジル・ロマン

<出 演>
東京バレエ団 モーリス・ベジャール・バレエ団
ソプラノ:クリスティン・ルイス メゾ・ソプラノ:藤村実穂子
テノール:福井 敬 バス:アレクサンダー・ヴィノグラードフ

<合 唱>:栗友会合唱団
管弦楽>:イスラエルフィルハーモニー管弦楽団
<指 揮>:ズービン・メータ

収録:2014年11月9日 NHKホール   お楽しみに!!

ジョージ・バランシンのバレエの意味  ヘザー・ワッツ

TED youth で元ニューヨーク・シティ・バレエ団のバレリーナだったヘザー・ワッツが、バランシンのバレエとその重要性について、高校生向けに語っています。

7分45秒のこの動画、非常に簡潔にまとめられています。

若き日のワッツさんの動画「アゴン」も見ることができ、いわゆるくるみわり人形のような古典バレエと、バランシンの求めた新しいバレエ(WhiteandBlack)がどう違うか、誰にでもわかる内容となっています。

こちらは下のボタンで英語の字幕が出ます。

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日本語字幕でご覧になりたい方はこちらをどうぞ。

www.ted-ja.com

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ルールを学び、それを破壊することを恐れてはいけないーーー

芸術は、心を乱した人を慰めるべきものであるという言葉で締めくくられています。

ABTアメリカン・バレエ・シアター、2018シーズン、マクレガー新作

ABT(アメリカン・バレエ・シアター)の2018年METシーズンが発表されました。

ABT: Inside ABT

今週のお題「芸術の秋」

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ざっと見、ウェイン・マクレガー振付「春の祭典」はもっとも注目すべき演目でしょう。「Afterite」という副題が付いているのも、元はと言えば、セルゲイ・フィーリンが芸術監督だった時に、ボリショイのためにマクレガーが「春の祭典」を振付ける予定となっていたのです。それが、いろいろなスキャンダルに(フィーリンが)巻き込まれて、ずっと凍結状態になっていたので、私はてっきりたち消えになったものとばかり思っていました。

マクレガーがABTに作品を提供するのは初。初演は5月21日。

ABT常任振付家、アレクセイ・ラトマンスキーの「アレキナーダ」。プティパが1900年に創ったものの新バージョンを作る、と理解していいでしょう。f:id:kotorio:20110627134400j:plain

新作としては上記2点のみ。それ以外は珍しくクラシックが出揃いましたね。ジゼル、ラ・バヤデール、ロミジュリ(こちらはマクミラン版)、白鳥、ドンキ。

ラトマンスキー振り付け、初演で今年話題を呼んだ「ホイップクリーム」も再演が決定した模様です。

ナタリア・オシポワがゲストとしてデヴィッド・ホールバーグと「ジゼル」を踊るのは嬉しいですね。ナタリアは昔、このバレエ団に所属していたのですから。

でもホールバーグトの相性はどうかな・・・デヴィッド・ホールバーグはロイヤル・バレエにゲストの予定なので、とすると、ロンドンでもオシポワと「ジゼル」、ということになりますね?

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ABTは、キャストを見てからチケットを購入できるので(そのようなバレエ団は少ないです。買ってから失敗したー、あるいはあ、あの日にすればよかった、というバレエ団の方が多いですよねえ)主演カップルをしっかりと見極めて、この日とこの日、というように、見たいダンサーでチケットを買えます。

現在は国内ツアー中だと思いますが、2018年3月に白鳥でシンガポール公演の予定。

ロベルト・ボッレは「ジゼル」1公演のみですね。

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プリンシパルのイザベラ・ボイルストンは、12月、パリ・オペラ座ドン・キホーテ」にゲスト出演します。ユーゴ・マルシャンと2公演が予定されています。チケット取れたら感想はおそらく年明けにアップできるかと。

f:id:kotorio:20110320162604j:plain イザベラ、大人っぽい雰囲気でいいいですよね。フランスにはいないタイプの「女性」です。みたいなあ。

やっぱりパリが好き。3ヶ月間、フランスの地方都市で暮らしてみて、パリに帰ってきたことの重要性、パリという都市が、いかに芸術の中心であるかがわかりました。

ここには全てがあります。最低のモノから、最高のモノまで。昇る人から、落ちる人まで、全てが、あります。

映画「ミスター・ガガ 心と身体を解き放つダンス」

コンテンポラリーダンス、みなさんご興味ありますか?

kotorioは個人的には非常に苦手だったのですが、イスラエルのカンパニーのバットシェバ舞踊団は、こちら、欧州においても(フランスはコンテの発祥の地でありながら)非常に評価、高いです。

さて、映画のご紹介です。日本でこの秋公開されているという情報が入ってきました。

「ミスター・ガガ 心と身体を解き放つダンス」

今週のお題「芸術の秋」

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1990年から芸術監督・振付家を務めるオハッド・ナハリン(1952〜)に8年間に渡って長期密着取材したドキュメンタリーです。その半生を振り返りつつ、これまでの代表的な公演のダンスシーンとで構成されています。

GAGA=ガガ」と呼ばれる独自の身体能力開発メソッドを考案したのもこの人。

人間の身体感覚、感性をどのように「表現」してきたか、氏の「ミスター・ガガ」の由来もよく理解できます。

mrgaga-movie.com

ナハリン氏の振付、バットシェバのダンス、無限の可能性にこころを揺さぶられる、ダンス・舞台・また演劇が好きな方には強烈に胸に残る作品だと思います。

私はこれを書きながら、しばしパリオペラ座のことを忘れていました。世界最高峰のクラシックの王道もあれば、このような「解き放つ」人間の身体の可能性もまた「ダンス」なんだなあ、と。

www.youtube.com